日本慢性期医療協会の武久洋三会長は12日の定例記者会見で、元気な高齢者を介護や医療の担い手として雇用するため、昼に働きながら准看護師の資格が取れる「夜間養成コース」を全国に設けるべきだと主張した。
武久会長は、看護師のレベル向上や看護の質が上がることから、看護教育の大学化には賛成を表明。しかし、准看や専門学校を廃して、すべてを大学教育化するのは現実的ではないと批判した。
理由については、少子高齢化の進展によって、受験者が将来的に減少すると予想。現在、毎年約30万人の介護福祉士や看護師が誕生しているが、そのほとんどは女性であることから、2035年に成人を迎える女性約50万人(総務省の国勢調査)のうち、需給を満たすためにその年に生まれた女児の6割が医療従事者になるということは考えにくいと指摘した。
一方、55~75歳までの現在の人口は約3500万人。このうち元気な10%(=350万人)が何らかの形で医療に係るようになることが将来の人材不足解消につながると説明した。仮に1%でも35万人であるとし、「これで2025年問題をクリアできる」と述べている。
■ 施設の流用によるコスト削減も
具体的な解決策としては、日中に働きながら、准看護師の資格を取得できる夜間コースを設けるよう提案。施設を1から作ること無く、昼間に看護師の専門学校を運営している施設を流用することで、余計な経費が掛からないという利点も強調した。