人事院は21日、令和3年度人事院総裁賞の受賞者を決定した。今回は、採用以降、長年にわたり矯正医療一筋に歩み、矯正施設における常勤医師の減少により、医師一人当たりの負担が増加する中、最前線に立って職責を遂行し、また八王子医療刑務所から東日本成人矯正医療センターへの施設移転で中心的な役割を果たすなど、矯正医療の充実と発展に大きく貢献した職員など、個人2名と職域5グループが受賞した。
人事院総裁賞は、多年にわたる不断の努力や国民生活の向上への顕著な功績等により、校務の信頼を高めることに寄与したと認められる職員(一般職の国家公務員)又は職域を顕彰(年1回)するもの。昭和63年に創設され、今回で第34回目となる。受賞者を部門別にみると―
【個人部門】(敬称略)
▽法務省東日本製人矯正医療センターセンター長 奥村雄介
採用以降、長年にわたり矯正医療一筋に歩み、矯正施設における常勤医師の減少により、医師一人当たりの負担が増加する中、最前線に立って職責を遂行し、また八王子医療刑務所から東日本成人矯正医療センターへの施設移転で中心的な役割を果たすなど、矯正医療の充実と発展に大きく貢献
▽海上保安庁第五管区海上保安本部総務部職員相談室長 大待雄治郎
海上保安業務に従事する中で、自作の紙芝居を作成するなどして、長年にわたり公私問わずライフワークとして多くの児童・生徒等の若年層などに対して、起用環境保全思想の啓発活動を積極的かつ継続的に行うなどし、海洋環境保全に対する国民の意識の向上に大きく貢献
【職域部門】
▽法務省愛光女子学園教育・支援部門
日本最初の効率女子少年院として設置され、以降70年の長きにわたり、女子少年の矯正教育に尽力し、多くの課題を抱える女子少年に対して、職務に対する情熱と使命感を持ち、矯正教育に取り組み続けるなどし、公務の信頼を高めることに貢献
▽厚生労働省検疫所(成田空港、関西空港、東京、横浜)
新型コロナウイルス感染症が発生して以来、国内への新型コロナウイルスの流入及び国内での感染拡大を防止するため、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客等への検疫を始めとして、検疫所職員一丸となって水際対策を実施し、国民の健康と安全の確保に大きく貢献する。
▽農林水産省大臣官房新型コロナ現地支援チーム
新型コロナウイルス感染症への対応において、中国からのチャーター機による帰国者やクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」からの下船者の不安や負担を軽減するため、昼夜を問わず食糧調達、環境整備、連絡調整等の様々な支援に尽力し、公務の信頼を高めることに貢献
▽気象庁高層気象台
100年以上にわたり高精度な高層気象観測を継続し、得られた観測データは、天気予報をはじめ、地球環境・気候変動の研究・監視・評価のための基盤情報として活用され、国民の生命・財産を守る防災気象情報の根幹を支えるなどし、公務の信頼を高めることに貢献
▽海上保安庁海上保安学校
70年の長きにわたり海上保安官の育成を担い、令和3年度を持って延べ2万人の海上保安官を輩出しており、開港から今日まで、国民の安全・安心確保を使命とした海上保安制度の維持に直結する人材の育成に尽力し、公務の信頼を高めることに貢献