信州大学は7月21日、東京都立産業研究センターと共同で開発している生活動作支援ロボット「curara(クララ)」の新型として、新たに「パンツタイプ」を発表した。ズボンをはくように装着できるのが最大の特徴。2018年の製品化に向けて準備を進めており、医療機器としての認定も目指していくという。
「クララ」のプロジェクトは2011年にスタート。高齢者や障害者などの動作を補助し、運動機能の改善につなげる効果を想定している。足や腰などのわずかな動きを読み取り、モーターがそれをアシストする仕組みだ。骨格を持たない独自の構造により、同様の機能を持つ他の製品より重量が軽いという。
新たなモデルでは着脱を簡略化。「はくロボット」がコンセプトだ。専用のパンツをはいて4つのモーターを接続すれば使い始められる。従来のタイプでは、第3者の補助を得ずひとりで装着するのは難しかった。フィット性の向上も図り、関節の位置を毎回調整しなくてもよい設計にしたという。
研究チームは現在、脳卒中の後遺症が残る高齢者に利用してもらう実験を重ねつつ、効果の確認や改良に力を入れている。チーム代表の繊維学部・橋本稔教授は、「歩く機能が衰えてしまった人を、健常者に近い状態へ改善するところまでは持っていきたい」と説明。「将来的には幅広いシーンで使われるように育てていく。お試し頂ける介護・リハビリ施設にはぜひお願いしたい」と話している。