総務省では、平成29年度から、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げている個人・団体を「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」として表彰しており、3月14日に令和6年度の受賞者として個人2名・団体2者を決定した。
近年、サイバー空間と実空間の一体化により社会に豊かさがもたらさせる一方で、悪意ある主体がサイバー空間を利用することによるリスクも増大している。サイバーセキュリティの確保は、安心安全な国民生活や、社会経済活動の力強い発展の観点から、極めて重要な課題となっている。
そこで、総務省は、平成29年度から、サイバーセキュリティ対応の現場において優れた功績を挙げられ、今後も更なる活躍が期待される個人又は団体(チーム)を自薦又は他薦により募集し、そのなかから実績等を踏まえ、「サイバーセキュリティに関する総務大臣奨励賞」として表彰している。
有識者である選考委員による選考委員会(委員長:村井純慶応義塾大学教授)の審査結果を踏まえ選ばれた受賞者の功績の概要は以下のとおり。
個人:2名(敬称略)
▽蔦大輔森・濱田松本法律事務所外国法共同事業パートナー弁護士
省庁横断的にサイバーセキュリティ政策に尽力し、攻撃被害を受けた組織側の立場も踏まえつつ、法実務と政策の両面で官民連携の強化に貢献するとともに、法律関係学会においてアカデミアと法実務の架け橋としても活躍するなど、我が国のサイバーセキュリティの向上に多大な貢献をした。
▽八尾崇株式会社ラック技術統括部セキュリティコンサルティングユニット担当部長
セキュリティを広く学ぶことができる勉強会活動に長年取り組み、参加者同士の交流に重点を置いた勉強会の運営ノウハウを全国へ展開するとともに、各地のセキュリティイベントの運営に携わり、サイバーセキュリティ分野における地域コミュニティの形成や産官学の連携に寄与するなど、我が国のサイバーセキュリティの向上に多大な貢献をした。
団体:2者(敬称略)
▽Hardening Project実行委員会
門林雄基、岡田良太郎、中野渡敬教、淵上真一、根岸征史、上野宣、川口洋、中西克彦、中津留勇、柳澤伸幸、宮地利幸、安田真悟、山城重成、三輪信介、鈴木智晴、松下めぐみ
技術面だけでなくビジネス要素も含めて競う実践的なセキュリティ競技会である「ハードニング競技会」を長年開催し、サイバーセキュリティ能力の向上に貢献するとともに、競技会で得た知見の展開にも取り組み、地域コミュニティの活性化やサイバーセキュリティ意識の向上に広く寄与するなど、我が国のサイバーセキュリティの向上に多大な貢献をした。
▽ユーザブルセキュリティワークショップ(UWS)運営委員会
金岡晃東邦大学理学部教授、坂本一仁静岡大学情報学部特任准教授、大木哲史静岡大学情報学部准教授
技術面だけでなくヒューマンエラーを含む人的側面の対策を重視し利用者を中心とした「ユーザブルセキュリティ」の研究と普及に貢献するとともに、勉強会やワークショップの開催により国内の研究コミュニティの形成や分野横断的な研究交流を促進し、研究者育成にも貢献するなど、我が国のサイバーセキュリティの向上に多大な貢献をした。