介護職の週休3日制の浸透を目指す宮城県のプロジェクトが本格的に始動する。
村井嘉浩知事が16日の会見で、今年度の新たなモデル事業に取り組む5施設を公表した。深刻な人手不足の解消に向けてより負担の軽い働き方への転換を図る。介護現場に入ってくる人材の増加や離職の防止につなげたい考えだ。
宮城県は5月22日~6月5日にかけてモデル事業に参加する施設を募集。応募があった9施設の中から、現状の休日の取得率やWebミーティングの対応状況なども勘案し、特養2施設、老健1施設、グループホーム2施設を選定した。
モデル事業は今月から動き出す。県が契約する外部コンサルタントが、組織診断やニーズ調査などを行って5施設の現状を把握。8月下旬にはプロジェクトチームを発足させ、組織風土の刷新などにも取り掛かる。10月頃には就業規則などの改定に着手。来年1月からのテスト運用を経て、4月から本格的に週休3日制を導入してもらう計画だ。
厚生労働省の推計によると、宮城県では既に今年度の時点で2910人の介護職員が不足する恐れがある。このままいくと需給ギャップは2025年までに4755人へ広がる見通しだ。
村井知事は会見で、「モデル事業の成果を他の施設にも広げていきたい」と表明。「理想のワークライフバランスの実現に向けて、まずはこの5施設に週休3日制を実現して欲しい」と語った。