日本介護福祉士会は11月28日から来年3月にかけて、ICTや介護ロボットなどを駆使して現場の業務改善をリードする介護人材を養成する新たな研修会を開催していく。
介護現場の生産性向上を後押しする取り組みの一環。テクノロジーを効果的に活用して質の高いケアを実践できる介護職員の養成を目指す。参加費は無料。
新たな研修は「デジタル・テクノロジー基本研修」。厚生労働省も11月17日に発出した通知で、「この研修はデジタル技術を有効に活用できる介護人材の育成に大きく寄与するもの」と説明。広く参加を呼びかけた。
対象は3年以上の実務経験を有し、自らの職場でICTや介護ロボットの導入、業務改善などに取り組みたい人。資格の有無は問われない。
研修の内容は、オンデマンド動画の講義と対面、またはオンラインによる演習で構成されている。講義が7時間、演習が9時間でトータル16時間。その全てをオンラインで受けることも可能だ。
参加登録は公式サイトから行える。介護福祉士会の研修管理システム「ケアウェル」への会員登録・ログイン(無料)が必要となる。
研修コースは「イチから学びたい人向け」や「既に取り組んでいる人向け」などに分かれる。それぞれの日程など詳細は公式サイトから確認できる。
11月17日には、研修のオープニングイベントがオンラインで開催された。
日本介護福祉士会の及川ゆりこ会長はこの中で、「参加者を有資格者に限定せず間口を広くしたのは、介護サービスの利用者の受益を第一に考えたため」と説明。介護職にはデジタルテクノロジーの導入に不安を抱いている層が一定数いるとし、研修を通じてこうした課題を払拭したいと意欲をみせた。