総務省はこのたび、市町村が徴収しすぎた介護保険料を被保険者にきちんと払い戻していないケースがあるとして、厚生労働省に指導を徹底するよう求めた。
問題とされたのは、確定申告で控除が適用され所得が変動したことなどにより、負担すべき保険料が後から減った人への対応。2014年度までの保険料の場合、少なくとも過去5年間は遡って差額分を返す決まり(昨年度以降は2年)となっているが、これを2年間と誤解している市町村が少なくないという。
国民から相談を受けた総務省は昨年8月、抽出した22市町村を対象にサンプル調査を実施。その結果、9割の20市町村は過去2年分を還付すれば良いと認識していたことがわかった。このほか、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料についても、同じ誤りをしているところが見つかったという。総務省の担当者は、「保険料を過徴収したままにしている市町村が、全国的に存在していると考えられる」としている。
総務省はこうした事態を踏まえ、市町村への周知を改めて行い改善につなげるよう厚労省に要請。「必要な措置の検討」も促し、その成果を今年9月末までに報告するよう指示した。