東京商工リサーチの調べによると、2020年の介護事業者の休廃業・解散は455件で過去最多を更新した。取材に応じた担当者が明らかにした。
高齢となった代表者が体調を崩したり亡くなったりして市場から退出するケースに、現下の厳しい経営環境を要因とするものが加わった。
慢性的な人手不足は解消の兆しが見えず、他の事業者との競争も以前より激化している。新型コロナウイルスの感染拡大で経営は更に難しくなり、先行きの不透明感も一段と強まった。事業を続けていく意欲が乏しくなり、休廃業・解散を選択したところも増えたとみられる。
これまでの過去最多は2018年の445件だった。2020年はそれより10件多い。395件だった前年の2019年と比べると、60件の大幅増となっている。
東京商工リサーチは1月8日、昨年の介護事業者の倒産が118件で過去最多を更新したとの調査結果も公表。コロナ禍の長期化などを念頭に、「今年も経営基盤の脆い事業者の淘汰に歯止めがかかる材料は見当たらない」と指摘している。