人工知能(AI)について、医師の90%が「診療に参加する時代が来る」と考えていることがこのたび、国内の医師約10万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」の調査でわかった。
調査は5月4日から10日にかけて行われたもの。会員の医師3701人から有効な回答を得た。
「人工知能が診療に参加する時代が来る」という回答を実施までの期間ごとに分けてみると、「10年超20年以内」と答えた医師が全体の33%にあたる1208人で最も人数が多かった。次いで多かったのは「5年超10年以内」の837人(23%)。そのほか、「20年超50年以内」の596人(16%)、「5年以内」の470人(13%)、「50年超100年以内」の211人(6%)という順になっている。
このうち、「20年以内に来る」と答えた医師は68%。調査とともに集計したコメントでは、「数値化やマニュアル化できる部分に関しては、早いうちに機械化ができる」や「今でもすでに診断時にインターネット検索を活用している」といった声が聞かれたほか、「専門性が必要で見逃しにくい希少疾患には人工知能が有用」という意見もあった。
また、「参画するとしても20年以上先」とした医師は22%。コメントでは、「患者の声や表情などの微妙なニュアンスの読み取りはプログラミングが難しいだろう」や「技術的には可能でも、間違いを起こしたときの責任の所在など、法的・倫理的な問題をクリアするのにまだ時間がかかる」という声が多かった。
■「医療は人対人のみ、人工知能は医師に代わる存在ではない」
一方、「100年経っても参画する時代は来ない」と答えた医師は10%。コメントでは、「人工知能が医師に取って代わることはない。補助的には今でも可能」や「結局、インフォームドコンセントを結ぶのは医師‐患者間。機械が責任を負えないし、負わせたくない」、「100年たってもこないかどうかはわからない。ただ、(人が人を診る、という対面サービスという点で)日本の風土には合わないと思う」といった回答がみられた。
人工知能が診療に参画する時代が来るか?(メドピアより引用)