神奈川県相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で7月26日に追悼式が開かれた。19人が殺害された事件から7年。参列者らは犠牲者を悼み、献花台の前で静かに黙とうをささげていた。発生から時間が経つ中で、風化を懸念する声も聞こえてくる。
神奈川県の黒岩祐治知事は、「今も強い怒りと深い悲しみがこみ上げる。私はその気持ちを抑えることができない」と式辞を読み上げた。
犠牲者と親交があった利用者代表の奥津ゆかりさんは追悼の辞で、「今の園のみんなが困った時には話を聞いて、職員と相談しながら不安な気持ちを解消していきたい。19人の皆さん、これからも私たちのことを天国から見守ってください」と祈った。
式後の会見で、津久井やまゆり園を運営する社会福祉法人・かながわ共同会の山下康理事長は、「若い世代にこの事件のことを、障害福祉のあり方というものを、きちんと伝えていかなければいけない」と述べた。
黒岩知事は、「我々は正しい障害福祉を作るために全力をあげている」と強調。「当事者目線の障害福祉を力強く推進し、『ともに生きる社会が実現できたよ』という報告を19人にできる日まで全力で頑張りたい」と意欲をみせた。
追悼式には81人が参列。慰霊碑「鎮魂のモニュメント」の献花台には、たくさんの花束が参列者らから供えられていた。
兵庫県明石市から計24人分の寄せ書きを持って訪れた小学校教諭は、「(事件が)風化しようとしているところもあるのかなと思う」と話す。「命の価値に軽重なんてないということを改めて認識する。それを子ども達に伝えていけたら」と語っていた。