不眠症の可能性がある国内の40歳以上の男女の59.4%が、「寝つきが悪い」、「夜間・早朝に目が覚める」などの症状に悩みを抱えながら生活を送っていることが先ごろ、製薬メーカーのMSD株式会社の調査でわかった。このうち、58.2%は「医師へ相談したことがない」と答えたことも判明している。
調査は6月24日から7月6日にかけて実施。不眠症の疑いがある、もしくは不眠症の治療薬を服用したことがある全国の40歳以上の男女9400人を対象にインターネットを通じて行った。
医師に相談せず、不眠症の治療薬を服用していない2942人に、複数回答で薬のイメージを尋ねたところ、最も多かったのは「服用期間が長くなると、効き目が悪くなる」の61.1%。さらに、「一度薬を飲み始めたらなかなかやめられない」の59.3%といった回答も多く、服用していない人は不眠症の治療薬に対して「依存性が強いのではないか」という印象を持っていることがわかった。
■ 薬の使用者の6割は3年以上服用
治療のために病院で処方される治療薬を飲んでいる人は2322人。このうち、一般的に「長期間」とされる3年以上服用し続けている人は、全体の56.2%だった。彼らに服薬に関する不安があるか複数回答で質問したところ、「服用をやめると、また眠れなくなってしまう」(68.9%)、「薬に依存してしまう」(63.5%)、「薬の服用をやめると、日常生活に影響が出てしまう」(60.2%)といった答えが多く聞かれた。
■ 減薬・休薬に臨むのは3割
一方、不眠症状について医師に相談した人へ、治療薬の減薬・休薬に関して医師と話し合ったことがあるか質問したところ、「どのような状態になったら服用をやめるか」や「いつ頃服用をやめるか」、「どのような方法で服用をやめるか」のいずれかを相談した人は34.1%だった。
また、WHO(世界保健機構)を中心に作成された国際基準に沿って判定したところ、全国で治療薬の服用者の割合が最も高かったのは鹿児島、最も低かったのは岩手となった。そのほか、3年以上服用している人の割合では、石川がもっと高く、富山が最も低くなっている。