2017年4月5日 ロコモ啓発でアドバイスを公募 「思わずやってみたくなる」486件(整形外科学会)

公益財団法人日本整形外科学会は、ロコモティブシンドローム啓発の一環として、「思わずやってみたくなる!ロコモ予防を推進するアドバイス」を公募し、このほど大賞作品などを決定した。筋肉や関節といった運動器の障害により、立ち座りや歩行、階段の上り下りなどが低下した状態を示すロコモ(運動器症候群)。進行すると、介護が必要となるリスクが高くなるという。学会では、ロコモを予防・改善するための運動や食生活など暮らしのなかでの工夫を募集した。

486件もの応募のなかから、栄えある大賞に選ばれたのは、〝なおきさん〟による全ての高齢者、ロコモを知らない人々へのアドバイス。「ロコモよぼう」という言葉にもじった作品。

ロ:ろうご(老後)の未来は
コ:こまめな運動で
モ:もも(太もも)を鍛え、
よ:よく食べ、骨を作り、
ぼ:ボケ防止に頭を使って、
う:うんどうき(運動器)を守って、
切り開こう!

と訴えている。

 

  「ついでに」活動を推奨

このほか、特選、優秀賞各5作品が選出された。

運動習慣のない仲間へのアドバイスとして、「コーヒーを待つ間のつま先立ち、パンが焼けるまでの片足立ち。〝待ちながら〟〝見ながら〟〝聞きながら〟〝ついでに〟と台所や居間はロコモ運動の宝庫」というものや、忙しい社会人への助言として、「入浴後のドライヤー時間、朝・晩の自宅で歯ブラシをするとき、〝ながらスクワット〟でロコモ予防」などを勧める作品が選ばれた。

また、現役をリタイアした高齢者に対して、ロコモに関する話ができる『ロコ友』を作ることを推奨。ロコ友に刺激されることで、健康維持のための体操などを継続することが期待される。

さらに、サラリーマンやOLに、オフィスでの移動で2階分はエレベーターを使用せず階段を使用することを提唱。日ごろの運動不足を階段昇降を積極的に行うことでエクササイズに置き換えることができるとしている。「エレベーターの電気代も下がって会社のコスト減にもつながり、一石二鳥。社会にぜひ周知してみてください」と呼びかけている。

介護予防サロンの高齢者へのアドバイスも入選作品として選出された。応募者が通っているサロンでは、朝のオープニングはロコモ体操で開始。全員が輪になり手を繋いで10数えながら①片足立ち、②もも上げ、③足首パタパタ、④足首グルグル―を行うというもの。80~90代の高齢者だが、誰も足をつかないという。

 

 30代の応募が最多

平成24年度に始まった厚生労働省「健康日本21(第2次)」では、平成34年までにロコモの認知率80%を目標に置いている。この目標設定を踏まえ、同学会でさまざまな啓発活動を展開し、28年の調査でロコモの認知度は47.3%となった。性年齢別にみると、女性70代では70%以上の認知度を示すなど、高齢者を中心として年々認知度は上昇しているが、80%の目標達成までの道のりは遠い。

アドバイスの募集は、こうした現状などを踏まえて昨年秋に実施。約500件の応募昨作品のうち、30代の応募が全体の24%と年齢別比率では最多。また、40代が20%、20代が18%を占めるなど、所期の目的を達成することができたといえる。

入賞作品は冊子化し、ロコモ予防推進団体など、希望する法人向けに無償配布を行う予定。学会では、作品発表をきっかけに、さまざまな人々の間でロコモが話題となり、さらなる認知理解が進むことを期待している。


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