東京・青海の国立科学未来館では12月11日から、リアル脱出ゲーム『人類滅亡からの脱出』を、このゲームを世界的に展開している(株)SCRAPとともに開催する。会期は来年2月7日まで。
「相次ぐ自然災害や感染症への対策」をテーマに、科学的な知見とエンターテインメントの要素を掛け合わせた全く新しいリアル脱出ゲーム。未来館で、新型コロナウイルスと共に生きる時代の、広く安全な展示空間を生かした新しい科学館の楽しみ方を提案しているシリーズの第三弾。
参加者は、就任したばかりの新人市長という設定。ところが、就任直後、新型ウイルスの感染症が広がりはじめ、さらには大地震が起こるとの情報が舞い込む。市民たちは不確かなウワサに振り回され、大混乱!。市長となった参加者は、正しい対策や情報発信をして市民の安全を守らなければならない。さらには巨大台風が接近していることが発覚…。
未来館のさまざまな場所に仕掛けられた「謎」や「暗号」を解き明かしながら、感染症拡大防止、地震や台風への備え、避難所に関する課題解決など、実社会でも起こりうる課題を疑似体験する。次々と襲ってくる課題をクリアして、〝最悪のシナリオ〟の回避を目指す。
イベントのシナリオを設定するに当たっては、防災や感染症の専門家の監修を受けた。ゲームを通じて自然災害や感染症に対する科学的な知見を得ることができる。謎解きゲームを通して繰返し経験する「情報収集、分析、思考、行動」は、まさに「科学的な課題解決の手段そのもの」。こうした体験によって、現在のコロナ禍にも通じる不確実な世界を生き抜く力を身につける貴重な機会となる。
世界各国で740万人動員
「リアル脱出ゲーム」は、マンションの一室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、さまざまな場所を舞台に、謎を解いてそこから「脱出」することを目的とした体験型ゲーム・イベント。
2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、盛り上がった「脱出ゲーム」。そのフォーマットをそのままに現実世界に移し替えた大胆な遊びが『リアル脱出ゲーム』です。2007年に初開催して以降、現在までで740万人以上を動員した。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど世界各地で開催されている(情報提供:(株)SCRAP)。
ゲームのストーリー:あなたはとある町に就任したばかりの新米市長。市長の仕事は楽ではないかもしれないが、のどかで平和なこの町でなら、きっとうまくやれることだろう。しかしそんなあなたのもとに突然不穏なニュースが飛び込んできた。なんと、新型の感染症が広がりはじめているというのだ。このままだと、未知のウイルスはあなたの町にも広がってしまうかもしれない。不確かなウワサに振り回された市民は大混乱!
そして、市民を守るための対策を打ち出すあなたに追い討ちをかけるようにさらなる悪い予告が…。「もうすぐ、大地震がこの町を襲う」。大忙しのあなたのもとに、ワラにもすがる思いで殺到する職員たち。「市長! ご判断を!我々に指示を!!!」。
科学未来館協力のもと、科学的な知見を取り入れた「本当にリアルな脱出ゲーム」。このイベントは、一人から複数人で参加できる。また、ヒントもあるため、謎解きに慣れていない方にも安心して楽しめる。未来館では「果たしてあなたは、この町の市長として市民の未来を守り抜くことができるのだろうか?」と参加を呼び掛けている。
未来館では、〝リスクはゼロではない、だから〟をスローガンに、新たな科学コミュニケーション活動を展開。広い空間を活用した実験的な空間づくりを通じて、「新しい生活様式」での科学館の可能性や新たな役割もシリーズで提案している。