2021年7月2日 モビリティサービス社会実装へ 産総研、2025年度までに無人自動運転目指す

国立研究開発法人産業技術総合研究所は、経済産業省が国土交通省と連携し、自動運転レベル4の先進モビリティサービスの実現・普及に向けて、研究開発から実証実験、社会実装まで一貫して取り組む「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト」の総合的調査検討を行うコーディネート機関に選出された。

産総研は、(株)野村総合研究所、日本工営(株)、(株)三菱総合研究所、(株)テクノバ、豊田通商(株)とコンソーシアムを組み、幹事機関として、経産省・国交省の無人自動運転の先進プロジェクトを推進していく。

自動運転のレベル4は、「特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」。完全自動運転とされるレベル5の「自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態」まではいかないが、レベル3の「自動運行装置の作動中、自動運行装置が正常に作動しないおそれがある場合においては、運転操作を促す警報が発せられるので、適切に応答しなければならない」と比較すると、相当程度の自動化が進む。

持続可能なモビリティ社会を目指す産総研のプロジェクトでは、カーボンニュートラルなどといった自動車産業を取り巻く大きな動きを踏まえて、2022年度を目途に、限定エリア・車両でのレベル4での自動運転サービスを実現し、2025年度までに多様なエリアで多様な車両を用いたレベル4無人自動運転サービスを40カ所以上の実現を目指す。

また、2025年以降に高速道路における隊列走行を含む高性能トラックの実用化に向けた取組を実装化する。自動運転車以外の車両との混在対応のため、インフラ協調や車と車、歩行者と車間の連携などの取組を進める。

産総研では、IoTやAIを活用した新しいモビリティサービスの普及を図るため、社会課題の解決と全国への横展開のモデルとなる先進的な実証を通じて、個々の特性に応じた導入可能性やサービス像を見える化する。実証的な取組を横断的に調査・分析し、事業性や社会的受容性を向上させるポイント、地域経済への影響、制度的課題を整理する。

また、先進モビリティサービス分野で必要とされる人材像、人材不足の実態、人材育成方法を調査し、提言する。地域において、自動運転移動サービスの安全な運用・提供や新たなモビリティサービスのマッチング・社会実装を担う人材についての検討を行う。

さらに、先進モビリティサービスについての社会受容性の醸成を図るため、ユーザーにリアルな体験機会の提供や、モビリティ環境と移動にかかる社会課題を踏まえて、自動運転の可能性と現状を正しく理解してもらい、ユーザーの行動変容を促すための社会受容性の醸成に向けた課題を抽出。自動運転につながるものとして、身近になってきている安全運転支援技術についての情報発信を行う。

また、レベル4の自動運転サービスをはじめとするAIなどを活用した新たな技術の導入に伴う、人とシステムとの間や関係者間の役割の変化を踏まえ、民事上の責任について整理を行う方針だ。


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