介護労働安定センターが今月10日に公表した最新の「介護労働実態調査」のレポートでは、「訪問介護員の不足感の深刻さがより増している」と指摘されている。
事業所にホームヘルパーの不足感を尋ねた結果をみると、
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◯ 大いに不足=31.3%
◯ 不足=28.4%
◯ やや不足=21.7%
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‐となっており、これらの合計は81.4%と8割を超えていた。
「大いに不足」が3割を上回るのは、ヘルパー不足が加速した直近10年で初。「大いに不足」と「不足」の合計(59.7%)も、直近10年で最悪の水準となった。調査結果のレポートは、「訪問介護員の人材不足が極めて深刻なものであることが窺える」とまとめられている。直近5年の推移のみ表に整理した。
この調査は、介護労働安定センターが昨年10月に実施したもの。全国の9077事業所から有効な回答を得ている。
ヘルパーの不足感は、介護職員や生活相談員、看護職員、ケアマネジャーなど主な職種の中で最も強かった。ヘルパー不足が及ぼす影響としては、「利用者の受け入れ抑制」や「既存職員の業務負担の重さ」などを選ぶ事業所が少なくなかった。
ヘルパーは高齢化も顕著。加齢を理由に引退するヘルパーが多いのが現状で、介護ニーズが更に高まる5年後、10年後はどうなるのかと懸念を深める関係者が多い。国は処遇改善加算の拡充など対策を講じているが、どこまで成果を出せるかは不透明だ。