2016年7月13日 プロジェクト参画者が取組状況を説明 中小区画土地利用型営農技術の実証研究の現地検討会

(国研)農研機構東北農業研究センターは、7月20日に食料生産地域再生のための先端技術展開事業「中小区画土地利用型営農技術の実証研究」平成28年度現地検討会を開催する。当日は、岩手県陸前高田市の現地実証試験ほ場にてプロジェクト参画者が取組状況を説明するほか、意見交換も行われる。

 

東日本大震災の被災地の復興の加速にむけ、大規模実証研究を推進

東日本大震災の被災地の復興を加速し、新たな食料生産地域として再生するためには、産学官に蓄積されている多数の農林水産分野の先端技術を活用し、組合せ、最適化し体系化したうえで、その普及・実用化を促進する必要がある。その際には、被災地の復興計画を踏まえ、既に確立された技術シーズを組み合わせ、最適化するための大規模な実証研究を通じ、速やかにその成果を復旧・復興に活用するとともに、技術を体系化し、成長力のある新たな農林水産業を育成することが求められる。

このため、農林水産省では、復興地域の特色を踏まえつつ、先端的な農林水産技術を駆使した大規模実証研究を推進する「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」を実施している。この事業では、▽先端技術を用いた被災地の農林水産業の復興 ▽技術革新を通じた成長力のある新たな農林水産業の育成 ▽生産コストの5割削減、収益率の倍増 ― に向け、大規模実証研究や、技術・経営診断技術開発研究を推進している。

 

中小区画農地での省力・低コスト生産技術や高品質作物生産などの実証試験

この取り組みの一環として、平成25年度から陸前高田市では、農研機構東北農業研究センター等により「中小区画土地利用型営農技術の実証研究」プロジェクトが実施されている。

このプロジェクトは今年で4年目を迎えるが、中小区画農地における省力・低コスト生産技術や収益増加につながる高品質作物生産、加工品開発の実証試験に精力的に取り組んでいる。

 

各地で行われている実証試験

今回の現地検討会では、このプロジェクトの参画者が現地実証試験ほ場での取組状況を説明し、意見交換を行う予定。

具体的には、広田町大祝地区で行われている ▽水稲生産の省力・低コスト化技術の実証 ▽夏季冷涼気候に対応した水稲の高品質安定栽培技術の実証 ▽加工品の販売戦略の策定と実証 ― といった研究の取組状況を岩手県農業研究センター、農研機構東北農業研究センター、広田半島営農組合の担当者が説明する。

また、小友町浦田地区では ▽水稲生産の省力・低コスト化技術の実証 ▽畦畔法面の植生転換による管理作業の省力化 ― といった研究が行われているが、その取組状況が岩手県農業研究センター、農研機構西日本農業研究センター、サンファーム小友の担当者から説明される。

このほか、岩手県農業研究センターが、小友町小崎下地区で行われている省力生産を前提にした安定多収栽培技術の実証について説明する。


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