2023年1月16日 ナイスステップな研究者10名を選定 科学技術への顕著な貢献(NISTEP)

文部科学省科学技術・学術政策研究所(NISTEP)では、科学技術イノベーションの様々な分野において活躍し、日本に元気を与えてくれる10名の研究者を「ナイスステップな研究者」として選定した。

平成17年より選定を始め、過去にナイスステップな研究者に選定された中には、その後ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授や天野 浩教授も含まれている。今年は、約1700人の専門家ネットワークへの調査で得た情報等により、最近の活躍が注目される研究者約250名の候補者を特定。研究実績に加えて、自然科学と人文学・社会科学との融合等の新興・融合領域を含めた最先端・画期的な研究内容、産学連携・イノベーション、国際的な研究活動の展開等の観点から、所内審査会の議論を経て10名を選んだ。

「ナイスステップな研究者2022」には、今後活躍が期待される若手研究者を中心に、AI技術を用いた人文学への応用研究、地熱資源に関する基礎研究および実社会へのアプローチ、噴火による津波の発生メカニズムの解明といった現代社会の課題に密接に関わる研究など多岐にわたる分野において、研究活動のみならず様々な形で広く成果を還元している研究者を選定した。

2022ナイスステップな研究者(五十音順・敬称略)は―

○ 大嶋泰介・Nature Architects(株)代表取締役CEO=ユーザーが求める機能要件から必要な幾何形状を逆算して導き出す設計技術「Direct Functional Modeling(DFM)」を開発し事業化を進める

○ CLANUWAT Tarin(カラーヌワット タリン)・Google Research Brain チーム Senior Research Scientist=AIによるくずし字認識技術の開発と社会への展開

○ 久保田達矢・国立研究開発法人防災科学技術研究所地震津波火山ネットワークセンター/地震津波防災研究部門特別研究員=地震にとどまらない、さまざまな要因で起こる津波―沖合津波観測データと津波シミュレーションから切り拓く津波の発生と伝搬のメカニズム―

○ 杉原加織・東京大学生産技術研究所講師(工学系研究科化学システム工学専攻)=脂質を使ったバイオエンジニアリング

○ 鈴木杏奈・東北大学流体科学研究所准教授=地熱資源の持続的利用と地域共創のためのデザイン‐数理情報の活用からwaku×wakuへ‐

○ 津川裕司・東京農工大学グローバルイノベーション研究院テニュアトラック准教授=代謝物の多様性とその生物学的意義を明らかにする新たなデータサイエンス研究を創出

○ 中川朋美・南山大学人類学研究所博士研究員/奈良文化財研究所客員研究員=考古学から見る過去と未来‐3Dデータの構築と活用‐

○ 中原啓貴・東京工業大学工学院情報通信系准教授/Tokyo Artisan Intelligence(株)(東京工業大学発ベンチャー)代表取締役社長=深層学習(ディープラーニング)高速処理専用大規模集積回路(LSI)の研究開発

○ 古屋晋一・(株)ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー/一般社団法人NeuroPiano代表理事=音楽演奏の技能と創造性の限界突破‐総合知で取り組む文化の持続可能な発展の実現‐

○ 吉田慎哉・芝浦工業大学工学部機械機能工学科准教授=飲み込み型(可食型)デバイスの研究開発‐飲むだけで身体の調子や体内環境を測定できる未来を目指して‐


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