2020年8月28日 ドローンの社会実装目指す NEDO、運航管理や衝突回避を研究開発

NEDOは、物流、インフラ点検、災害対応などの分野で活用できるドローンなどの無人航空機の開発を促進するとともに、社会実装するためのシステム構築や飛行試験に新たに着手する。具体的には、目視外や第三者上空などでの飛行に向けた産業規格のための安全基準策定、物流での活用に対応した飛行の長時間化の実現に向けたエネルギーマネジメントシステム、運航管理システムの社会実装に向けた機能拡張、衝突回避システムの小型化・低消費電力化などの研究開発を行う。

ドローンなどの無人航空機はさまざまな分野で活用される可能性を秘め、諸外国でも利活用分野の拡大のための制度設計や技術開発、標準化活動が活発化している。国内でもサービスの高度化や社会課題解決のために無人航空機の高度利活用が期待されている。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」において、ロボットや無人航空機を社会実装するためのシステム機能や飛行試験を行うとともに、これらの開発成果を国際標準化に繋げるための活動を2017年度から実施している。

今回のプロジェクトでは、無人航空機の社会実装をさらに推進するため、主として1)ロボット・ドローン機体の性能評価基準の開発、2)無人航空機の運航管理システム及び衝突回避技術の開発に取り組む。

ロボット・ドローン機体の性能評価基準の開発では、目視外や第三者上空などでの飛行に向け、機体規模や運行方法などユースケースのリスクレベルに応じて求められる無人航空機の安全基準整備に向けて必要となる性能や安全性に関する性能評価基準や検証方法などの研究開発を実施する。また、無人航空機に求められるセキュリティ対策を検討し、対価基準についての研究開発を実施する。

また、将来、無人航空機は衝突回避システムや準天頂衛星システム、機体識別といった関連システムなどを搭載することで、これまで以上にバッテリー負荷が高まると想定される。飛行の長時間化に向けたバッテリー性能向上も含め、安全な長時間飛行を可能とするエネルギーマネジメントなど周辺システムの研究開発を実施する。

無人航空機の運航管理システムの開発では、複数の運行管理機能が管理する多数の無人航空機が同一の空域を飛行するため、各運航管理機能間で飛行計画、空域情報、飛行状況を共有する運航管理統合機能の拡張について開発する。

 

無人航空機の自律制御開発も

具体的には、社会実装の実現に向け、複数の地域で分散処理ができるよう機能拡張を行うとともに、無人航空機を扱う事業者向けサービスのユーザーインタフェースを改善する。また、全国規模で整備されている既存の地図情報と気象情報を活用し、各情報を運航管理統合機能に取り込み、運航管理機能へのサービス提供を実現する。

単独長距離飛行を実現する運航管理機能の開発は、離島対応と取り組むもので、準天頂衛星システムの補強信号を含むマルチGNSS(全球測位衛星システム)により取得した高精度な位置情報により無人航空機の自律制御について開発する。また、安全かつ信頼性の高い目視外での自律飛行を実現するために、「無人航空機の衝突回避技術の開発」で開発し小型化された各種センサーを統合し、飛行試験によって有効性を評価する。

無人航空機の安全飛行に関連する情報を、運航管理機能や運航管理統合機能などに対して提供する機能を開発する。また、NEDOでは、2017年度から2019年度に、光学カメラ、レーダーなどの各種センサーを用いて無人航空機自らが最適な飛行経路を生成し、衝突回避する技術の研究開発を行った。今年度からはセンサーの小型化、軽量化、低消費電力化に取り組み、これらを活用して衝突を回避する技術を開発する。


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