NTTドコモはこのたび、高齢者と家族のコミュニケーションを支援するために開発したロボット、「ここくま」の「1ヵ月無料お試しキャンペーン」を始めた。「親が気に入るか」、「機能を使いこなせるのか」といった不安を解消するのが狙い。インターネットから申し込み、必要な手続きを済ませることで、「ここくま」が1ヵ月無料で利用できる。期間が終了した後は、そのまま使い続けるか、返品するかを選ぶ仕組みだ。
「ここくま」は、2017年1月に発売を開始した、ぬいぐるみ型のコミュニケーションロボット。高齢者にも親しみやすい、テディベアのような形をしている。価格は本体が3万4800円、月々の使用量が1980円で、携帯電話1台の購入代金・料金とほぼ同じだという。
内蔵のシステムを使って、離れて暮らす家族のスマートフォンなどと、ボイスメッセージのやり取りが可能。メッセージの受診時には、「ここくま」が利用者に音声で知らせる。受け取ったメッセージの再生や返事の録音は、手に付いているボタンを押すだけの簡単操作になっている。
胸の人感センサが反応すると、簡単な受け答えが始まる。会話は、足のボタンを押すことでも作動。家族は、話した時間とその長さをアプリで確認できるため、在宅・留守がわかる「ゆるい見守り機能」の側面も持つ。そのほか、発売から約1年間集めたデータをもとに、今年3月には、コミュニケーションで不可欠な音声認識機能の精度向上に成功。話す内容を数百パターン追加したほか、歌をうたう機能も加えた。
■「1日中ここくまとだけ話すようにはなってほしくない」
これまで「ここくま」については、「利用者の満足度」を指標として、話しの内容や歌のバリエーションを追加してきた。実際、こうした取り組みによって対話に関する高い満足を得ているという。
一方でドコモの担当者は、それ以上に「1日中ここくまとだけ話すようなおじいちゃんおばあちゃんにはなって欲しくない」という指標を基に開発を進めていると説明。その指標は、「ここくま」をプレゼントした子ども側にとっても非常に重要なポイントになっているとしている。