国立大学法人東北大学と(株)ブリヂストンは、10月1日、学内にブリヂストンとの産学連携拠点となる共創研究所「ブリヂストン×東北大学共創ラボ」を設置し、ブリヂストンのDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支える〝デジタル人財〟を育成するための共同プロジェクトを開始した。
3年間で40名程度の人財育成
東北大における最先端のデータ科学をはじめとした多様な研究教育で培われた指導力と、課題解決型学習ノウハウを駆使した実践的な独自プログラムや、参画する研究室との共同研究や交流を通じて、高度なスキルを持つ実践的なデジタル人材を育成する。
プロジェクトの期間は今年10月から2024年9月までの3年間で、延べ40名程度の人材育成を目指す。
国立大学の中でも東北の雄、東北大は、「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」の理念を掲げ、世界をリードする研究成果を挙げ、日本を代表する総合研究大学として日々発展を遂げている。
特に、AI(人工知能)に代表されるように、社会のデジタル化が加速し、巨大で様々なデータが活用されて新たなイノベーションが生み出される時代において、AI・数理・データ科学(AIMD)に関わる研究力と、それを活用した社会課題解決や事業機会拡大に取り組める人材育成を重視している。政府が強化しているAI社会実装を促進する「AI戦略」「AI人材育成」などの重点政策と連動している。
例えば、AIMDを基盤とした文理を横断する豊かな学識と高度の専門的知識・技能に基づいて、各領域で独創的な研究を行っている。また、教育では、AIMDの基礎教育から高度プロフェッショナル養成まで、学部横断の一貫したプログラムを実践している。全新入生にAIMDリテラシー学習を提供し、文系理系を問わず専門性とAIMDスキルとのダブルメジャーが獲得できる。養成対象は社会人へも拡大している。
プロジェクトでは、全学のリソースを最大限に活用できるように共創ラボを共同で運営し、ブリヂストンが派遣する社員らの能力や課題意識に応じて、必要な教育プログラムと学習コンテンツの提供や研究室との共同研究と交流など、密接な関係を重視した〝デジタル人財育成〟を図る。
一方、ブリヂストングループは、「2050年 サスティナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」をビジョンとして掲げ、2021年~2023年の中期事業計画を実行している。
計画の中で、これまでゴムという難しい素材を扱う現場で長年培った匠の技と膨大なデータ、すなわち強い「リアル」に「デジタル」を組み合わせて、「より大きなデータで、より早く、より容易に、より正確に」、「断トツ商品」・「断トツソリューション」を開発、展開することで、新たな社会価値・顧客価値を提供するブリヂストン流のDXを推進している。
今回のプロジェクトは、ブリヂストン流のDXを担うデジタル人材として、AIやアルゴリズムの企画開発を通じてソリューションビジネスや研究開発の中核を担う「AI/アルゴリズムエキスパート」と、ビジネス現場で課題を抽出し、デジタル技術を用いたソリューションの提案につなげることができる「ソリューションフィールドエンジニア」の育成を目的とするもの。