2020年3月10日 テレワーク推進の課題は書類のデジタル化 6割以上が捺印などのため、やむなく出社

新型コロナウイルスの感染拡大を防止する手立ての1つとして注目が集まるテレワークの実態について、アドビシステムズは4日にメリットや課題をまとめた調査結果を発表した。テレワークの実施中にも、「書類への捺印や確認などのために、やむなく出社したことがある」という答えが64.2%に上った。このため同社は、企業の紙書類の管理がテレワーク推進の際の大きな課題になっているとしている。

調査は都内に勤務し、過去3ヵ月以内にテレワークを行ったことがある会社員500人。インターネットを通じて、今年の2月10日から17日にわたって実施した。なお調査期間は、政府による新型コロナウイルスの対策基本方針が決定される前になる。

テレワークを実施して、自身の生産性が上がったかどうかを尋ねたところ、「どちらかといえば上がったと思う」(52.4%)や、「とても上がったと思う」(34%)と、全体の86.4%が生産性が上がったと感じていた。さらに、ペーパーレス化の推進状況について聞いたところ、84.8%が「ペーパーレス化が進んだ」と答えた。

実施して感じた業務上の課題を複数回答で質問したところ、最も多かったのは「会社にある紙の書類を確認できない」(39.6%)。次いで、「プリンターやスキャナーがない」(36.2%)や、「自分以外の仕事の進捗が把握しづらい」(35%)が多い。テレワーク中に出社せざるを得ないタスクが生じ、出社した経験があるかを聞いたところ、およそ5人に1人(21.4%)が「頻繁にある」と回答。42.8%は「ときどきある」と答えていた。一方、心理的・身体的な課題を複数回答で聞いたところ、「同僚とのコミュニケーションの量が減る」が38.4%で最多。次いで「時間管理が難しい(30.0%)」「つい仕事以外のことをしてしまう(28.6%)」が続いた。

「今後、定期的に実施したいか」という問いには、「積極的に実施したい」が52.6%、「どちらかというと実施したい」が40.6%と合わせて93.2%が今後も継続的に実施していきたいと回答した。

 

アドビの調査結果より引用


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