総務省では、青少年のインターネット・リテラシー向上のための前提として、特にインターネット上の危険・脅威に対応するための能力とその現状等を可視化するため、2011年度にこれらの能力を可視化するテストを指標として開発し、2012年度から毎年、高等学校1年生を対象に、青少年のインターネット・リテラシーを測るテストをインターネット等の利用状況に関するアンケートとあわせて実施。2019年度は57校、7252名を対象に、テストとアンケートを実施した上で、この結果を集計・分析し、17日に調査結果を公表した。調査結果によると、テスト全体の正答率は68.7%と過去4年間の平均(68.8%)とほぼ同等であり、項目別に4年前と比較すると、「セキュリティリスク」の正答率が65.3%から66.8%へと相対的に上昇している。その一方で、「不適切利用リスク」は82.4%から78.9%へ、「有害情報リスク」は68.2%から66.0%へと相対的に下降している。
高校生の利用機器の現状についてみると、高校生の97.5%がインターネット接続機器としてスマートフォンを保有し、高校生の92.5%が保有するインターネット接続機器のうち最もよく利用する機器としてスマホを挙げている。
スマホの平日1日当たりの平均利用時間は、2~3時間と答えた割合が25.1%で最も多く、他の機器の平均利用時間に比べて利用時間が長くなっている。スマホの平日1日当たりの平均利用時間が2時間以上と答えた割合が約8割(79.2%)で、昨年度の約7割(69.2%)と比較して長時間利用の割合が増加している。テストの全体正答率に関して、スマホの平日1日当たりの利用時間別に分析した結果、平均利用時間1時間未満と答えた割合が72.0%と最も高く、利用時間が長いほど概ね正答率が低下する傾向にある。
■ フィルタリング認知は7割強
フィルタリングに対する認知と利用状況について、高校生の74.7%がフィルタリングを一定程度認知しており、フィルタリングを一定程度認知している高校生のうち、45.2%がフィルタリングを利用しているが、フィルタリングをあまり知らない高校生(18.8%)の利用率は20.1%にとどまっている。
また、高校生の74.7%がフィルタリングを「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」と肯定的に捉え、そのうち45.6%がフィルタリングを利用している。一方、高校生の10.2%がフィルタリングを「使いたいソフトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」と否定的に捉え、そのうち33.6%がフィルタリングを利用している。また、フィルタリングに肯定・否定のいずれのイメージを持っていない高校生(15.1%)の利用率は18.1%であった。
ペアレンタルコントロール機能(利用時間制限、利用状況確認、コンテンツの閲覧制限等)に関して、高校生の60.6%が「そもそもよく知らない」と答えており、32.2%が「スマートフォンの使い過ぎの防止等に役立つもの」と肯定的に捉えている一方、7.1%が「保護者に利用時間を管理・制限されてしまう邪魔なもの」と否定的に捉えている。