地域の住民生活に密着した行政上の課題を取り上げ、行政運営の改善を図るため、「地域計画調査」として、独自に調査を企画し、実施している総務省関東管区行政評価局は、今年4月から7月まで「スマートインターチェンジの利便性及び安全性の向上に関する調査」に取り組んでいる。
整備が進むスマートICについて、「案内標識が設置されているが分かりづらい」といった苦情が行政相談窓口に寄せられていることなどから、スマートICの利用者の利便性及び安全性の向上に資することを目的として、スマートICや接続する道路における案内標識や表示の状況を把握することをねらいとしている。
標示がわかりにくいなどの苦情や改善求める要望多い
スマートICは、国土交通省が既存の高速道路の有効活用や、地域生活の充実、地域経済の活性化を推進する観点から、導入を推進しているもので、建設・管理コストの削減が可能なICとして、関東甲信越地域においても、今年3月末現在、全国の32.9%にあたる47箇所のスマートICが開通済み。開通済みで多いのは、新潟県の10箇所をはじめ、長野県7箇所、埼玉県6箇所など。
整備事業中のものも栃木県4箇所、埼玉県・神奈川県・長野県がそれぞれ3箇所など20箇所に達し、今後も増加傾向にある。
ところが、スマートICの利用に当たっては、関東行政評価局の行政相談において、スマートICの入口が非常に分かりづらいとの苦情が寄せられており、民間有識者からも同様の指摘があるという。
また、道路管理者が地域住民を対象に実施したアンケート調査においても「スマートICを出て一般道へ向かうとき、とても分かりづらい。国道への出方、行き先はしっかり表示してほしい」、「スマートICの出口へ向かう際、サービスエリアの駐車場の車とぶつからないか不安。出口に向かう表示などがあると良い」などの意見がある。
こうした現状を踏まえ、関東管区行政評価局では、スマートICの利用者の視点から、①スマートICの概況、②スマートICに接続する高速道路本線の関連施設の整備・維持管理、③スマートICに接続する道路の関連施設の整備・維持管理、④スマートICの利用者への情報提供などの実態を把握。現状の問題点の把握、推奨的な取組の把握及び関係機関への展開を図ることにより、スマートICの利便性及び安全性の向上につなげたい意向だ。
市民らに情報提供を呼びかけ
調査は、関東地方整備局や東日本高速道路関東支社、県、市町村、関係団体を対象に実施しているが、調査の開始にあたり関東管区行政評価局では、調査の参考とするため、地域住民らに「○○スマートICに入る際の案内標示の向きが走行方向からは見にくかった」「○○スマートICの案内標示が色あせているので修繕してほしい」「進入できる車両の長さを知らずに誤って○○スマートICに進入してしまった」などスマートICについての意見・要望や情報などを寄せてほしいと呼びかけている。