長野県飯綱町は今月1日から来年2月22日にかけて、スマートグラスを活用した高齢者らの買い物サポート事業を行っている。「移動手段がなくて、買い物に行けない」、「重い商品や大きな荷物など持ち帰るのが大変」、「体調がすぐれない時の買い物に困っている」といった悩みを、デジタル技術で解消するのが狙いだ。
今回のサービスは、小売店のスマートグラスと利用者のタブレットを繋ぐことで、ユーザーが自宅に居ながら映像を見て買い物が出来るというもの。
町から委託を受けた〝お買い物サポーター〟が店内でスマートグラスを装着。高齢者はそのカメラ映像をもとに、タブレットのポインター機能で欲しい商品をリアルタイムに示しつつ、音声で伝えるという仕組みになっている。購入した商品は、〝お買い物サポーター〟が利用者の自宅まで配送し、その場で代金のやり取りを行う。
サービスの対象となるのは、原則65歳以上の町民と、高齢者などで構成される町内の団体。日時は一部(※ 12月28日、来年1月2日・同月4日)を除く、毎週火曜日・木曜日の13時からと15時から。それぞれの時間ごとに1人までの先着順となっている。
■コンビニからスーパー、洋菓子店で利用可
サービスは、コンビニからスーパーマーケット、洋菓子店など15店舗(7月24日現在)で利用可能。希望者は、利用前日の正午までに電話か専用サイトから申し込み。当日は、身分証を持参した専用スタッフがタブレットを持って自宅を訪問し、店舗との接続から買い物のアシストなどを担う。利用料は原則無料だが、町は1回で原則1000円以上の買い物を行ってほしいと協力を呼び掛けている。
飯綱町は昨年度、少子高齢化や過疎の進行、二次交通の不足などを理由に、食料品の買い物の移動に課題を抱える住民が増加しているとして、スマートグラスとタブレットを使用した「買い物支援実証実験プロジェクト」を実施した。その結果、利用者から高い満足度と今後への大きな期待感を得たことで、今年度から「長野県地域発元気づくり支援金」を活用した取り組みを開始することを決めた。