総務省はこのほど、昨年9月末の世帯や企業での情報通信サービスの利用状況等を調査した、通信利用動向調査の結果を公表した。それによると、個人のインターネット利用機器でのスマートフォンの割合は54.2%となり、パソコンの48.7%を上回った。また、クラウドサービスを利用している企業の割合は56.9%で初めて50%を超えている。その一方で、インターネット利用時に「不安を感じる」または「どちらかといえば不安を感じる」と回答した個人の割合は前回(平成28年)の61.6%から68.3%へと上昇した。
年齢階層別にインターネットの利用状況(個人)をみると、13歳~59歳の年齢層でインターネット利用が9割を超え、6~12歳では74.8%、60~69歳では72.2%、70~79歳では45.3%、80歳以上では18.6%となっている。
個人のインターネット利用機器については、スマホがパソコンを上回るが、年齢別にみた場合、60歳以上ではパソコンの利用がスマホを上回っている。
主な情報通信機器の普及状況(世帯)についてみると、スマホを保有している世帯の割合が75.1%で、固定電話・パソコンを保有している割合(固定電話70.6%、パソコン72.5%)を上回っている。
モバイル端末の保有状況(個人)では、スマホの保有状況は増加傾向にある一方で、携帯電話・PHS(スマホを除く)の保有状況は減少傾向にある。
クラウドサービスの利用状況(企業)をみると、利用している企業の割合(「全社的に利用している」と「一部の事業所または部門で利用している」の合計)は上昇傾向が続いており、今回は56.9%と調査対象の半数を超えている。
利用目的をみると、営業支援(14.5%)やプロジェクト管理(8.6%)などの高度な利用は低水準にとどまっている。
効果は、「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答した企業が利用企業の8割を超えている(「非常に効果があった」30.9%、「ある程度効果があった」54.3%)。
テレワークの導入状況等では、企業で導入しているまたは具体的な導入予定があるのは18.2%であった。
また、導入目的は、「勤務者の移動時間の短縮」や「勤務者にゆとりと健康的な生活の実現」等の割合が上昇している。
一方、導入していない理由として「テレワークに適した仕事がないから」と回答したのは73.7%であった。
テレワークの実施状況(個人)について、企業等に努める15歳以上の個人のうち、過去1年間にテレワークの実施経験がある人と実施してみたいと考えている人は24.2%と約4分の1を占めた。実施意向のある個人で、実施できていない理由は、「制度がないため」が77.1%と多い。
インターネット利用時の不安(個人)については、12歳以上の利用者の68.3%が何らかの不安を感じており、前回と比較して6.6ポイント上昇した。年代別では、20歳代以外の年齢層で不安を感じる割合が高くなっている。
不安の具体的な内容は「個人情報が外部に漏れていないか」が87.7%と個人情報に対する懸念が相当に高い。