7月に入り、全国各地で記録的な猛暑が続いている。23日には、東京都内で観測史上初の40度超を記録。埼玉県熊谷市では41.1度まで気温が上昇し、日本の歴代最高を5年ぶりに更新した。気象庁は各地に高温注意情報を出し、こまめに水分を取るなど熱中症への対策を呼び掛けている。
室内ではエアコンを使うといった対策も可能だが、屋外では日差しや暑さを避けるのが難しい。それが人の多かったり、他の場所で涼みにくいバスの待合場所やイベント会場ならなおさらだ。
そんな中パナソニックは17日、7月から9月にかけて、仮設型のミスト発生装置を設置する実証実験を日本各地で行うと発表した。実験には同社が開発した「シルキーファインミスト」を使用する。これは、2流体ノズル(圧縮空気と水を混合し噴出する方式)で生成される、平均粒径10ミクロンの極微細ミストで、蒸発性が高く、近づいても濡れにくいため、快適に効率よく空間を冷やせる仕組みになっている。
今回用いる仮設ミスト機器は、基礎工事が不要。テントや日除けの軒下といったミストノズルを取り付ける箇所と電源が確保できる場所であれば、設置・取り外しが可能だという。生成される微細ミストは近距離で浴びても濡れにくく、腰や肩程度の高さにも設置できるのも特徴だ。
実験は、自由な設置レイアウトが可能である特長を生かし、今月14日からコーポレートショウルームであるパナソニックセンター東京で開始。23日~25日には東京ミッドタウン日比谷で行われる、東京都環境局主催の「暑さ対策技術等の展示」に屋外出展する。さらに、8月には、パナソニックスタジアム吹田のほか、複数ヵ所での実証実験を予定しているという。
パナソニックは、訪日外国人が一層増えると予想される2020年に向けて、人が多く集まる屋外施設や屋外競技場などで冷涼感を得る快適なスペースの提供に貢献したい考え。今後は、引き続き暑さ対策ソリューションの開発に取り組んでいく方針だ。