環境省は、我が国のサステナブルファイナンス市場を更に健全かつ適切に拡大していく観点から、「グリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ガイドライン2024年版」、「グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン2024年版」を11月8日に策定した。
環境省では、令和3年度に「グリーンファイナンスに関する検討会」を設置し、国内のグリーンファイナンス市場を健全かつ適切に拡大していく観点で議論を行い、環境に関する各種金融商品の国内実務指針であるグリーンボンド及びサステナビリティ・リンク・ボンドガイドライン、グリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローンガイドラインの見直し等を実施してきた。
今回のグリーンファイナンス関連ガイドラインの改定では、ガイドラインが当初策定された平成29年と比較するとグリーンファイナンス市場が一定程度成熟してきたこと、また、加速度的に進む国際的な潮流を捉え、今後の国際原則の改訂の反映を速やかに行うことを可能とする観点から、検討会での議論を経て、グリーンファイナンス関連の各金融商品に期待される事項と具体的対応方針において、国際原則の和訳部分と国内向けの解説部分を整理した。
ローン・マーケット・アソシエーション(LMA)等によるグリーンローン及びサステナビリティ・リンク・ローン原則の改訂(令和5年2月)、国際資本市場協会(ICMA)によるサステナビリティ・リンク・ボンド原則の改訂(令和6年6月)の内容を反映。また、検討会における議論等を踏まえ、改訂部分について、国内向けの解説を一部追加した。
さらに、国内のサステナビリティ・リンク・ローンについて、金融機関が、自らの資金調達のためでなく、顧客向けに取り扱う金融商品として策定する「SLLフレームワーク」による調達が大多数を占めること、「借り手のビジネス全般に関連性があり、中核的でマテリアルであり、並びに、借り手の現在及び/又は将来的な事業において戦略的に大きな意義があるもの」とは考えにくいKPIの設定が見られることから、検討会での議論を経て、国内向けの解説を追加した。