福祉用具はもっとかっこよく、スマートであっていいと思う −− 。そんな思いの具現化に向けて、新たな領域へ足を踏み出すという。
シルバーカーや歩行器などで高いシェアを持つ幸和製作所が、国内初となる男性用の福祉用具ブランド「GENTILMARRONE(ジェンティルマローネ)」を立ち上げた。今月15日には多脚杖「Fabio(ファビオ)」を、来月1日には歩行車「Michele(ミケーレ)」の販売を開始する。
「イタリア紳士に学ぶ、遊びゴコロ」がコンセプト。「つい手に取りたくなる風格やこだわりが福祉用具に備わっていたら、必要とする人たちの毎日はもっと素敵に変わっていく」。新ブランドの公式サイトではそんなビジョンを打ち出している。「楽しく快適で、愛用したいと思えるアイテムを生み出すことは、高齢化社会を迎える日本を元気づける挑戦ではないだろうか」と前向きだ。
新たに発売するファビオは、レザー風のグリップエンドやベースのペイズリー柄が特徴。ミケーレも上品なデザインで、足で踏んで前輪を持ち上げ段差を楽に越えられる「ティッピング機能」を備えるなど、その性能にもこだわっている。
幸和製作所の担当者は、「団塊の世代も年齢を重ねてきており今後は高齢者の好みも変わっていく。スマートな福祉機器のニーズは大きくなっていくとみている」と説明。「平均寿命の違いなどを勘案しても、男性は女性より福祉用具を使う割合が低いのが現状。もっと興味や関心を持って頂ける製品を出していきたい。新ブランドのラインナップは徐々に拡大していく」と話している。