国立国際医療研究センターなどの研究チームはこのたび、コロナ禍における思春期世代のメンタルヘルスの変化に関する調査結果を公表した。
それによると、コロナ禍の最中では、男子のうつ症状の悪化が顕著だった。要因としては、部活動の自粛をはじめとする学校生活の活動制限や、男女の助けの求めやすさの違いなどが影響したのではないかと考えられている。
研究チームは、東京ティーンコホートのデータを使い、思春期の児童約2000人を対象に調査を実施。その結果、コロナ禍(2020年3月~2021年9月)に調査した際の対象者のメンタルヘルス指標(抑うつ症状と精神病様症状)は、コロナ禍前(2019年2月~2020年2月)の結果よりも悪化していた。この傾向は男子でより顕著に出ており、抑うつ症状は初期の学校閉鎖期間後から2021年にかけて徐々に悪化している。一方、女子は学校閉鎖期間(2020年3月~5月)に抑うつ症状が一時的に改善したものの、学校再開後はコロナ禍前と同水準に戻っていた。