ロシアのウクライナへの軍事侵攻からまもなく半年を迎えるが、わが国の17歳から19歳の若者の6割以上が、ウクライナ情勢に関心を示していることが、日本財団の調査で明らかとなった。わが国のロシアへの制裁には4割弱が賛成している。
調査によると、ウクライナ情勢に6割以上が「関心がある」と回答。性別では男性が助成よりも高い関心を示した。関心がある理由としては、国際政治・情勢への関心とわが国との関連・影響との視点から意見が寄せられた。国際政治・情勢としては、「第3次世界大戦が始まってしまうのではないかという不安から、今後の世界情勢が気になる」「ウクライナとロシアだけの問題ではなく、世界のパワーバランスが変わりかねない問題」であることが関心を寄せる理由としてあがった。
日本との関連・影響では、「北方領土の問題もあり、いつか日本に矛先が向いてしまうかもしれない」「日本の近くに中国という大国があり、〝次は私たちかも〟と不安にさせられる」との声が聞かれた。
さらに、ウクライナ情勢により、〝戦争〟が現実世界で起きていることを認識していることも、調査から推察された。一方で、「戦争は決して起きてならない行為だと考えており、今同じ世界で起きている戦争に関心がある」と、戦争反対の観点から、ウクライナ情勢を見つめる若者も存在する。
ウクライナ支援、賛成が6割超
わが国がロシアに金融制裁や輸出入政策などの対ロシア制裁を実施していることに関しては、全体では4割弱が賛成、2割が反対している。性別では男性の約4割、女性の約3割が賛成、男女ともに約2割が反対と答えた。
一方で、全体の3割弱がロシアへの経済制裁は「足りてない」と回答した。性別では男性は約2割が「足りている」、約3割が「足りていない」としたのに対し、女性は約1割が「足りている」、約2割が「足りていない」とした。
ウクライナへの支援については、全体では約6割が賛意を示し、性別では男女とも「賛成」と答えたのは6割弱を閉めた。「反対」と回答したのは、男性11%、女性4.9%と性別で差が生じている。
世界の難民受け入れは賛成が半数
調査では、今年6月26日時点で、わが国はウクライナから避難してきた1375人を国内で受け入れていることへの賛否についても聞いた。わが国がウクライナ難民を受け入れることに対しては、約6割以上が賛成。1割程度だった反対を大きく上回っている。性別でも概ね同じ傾向がみられた。
わが国が実施しているウクライナ支援の程度に関しては、全体では「足りている/多すぎる」と「足りていない」が概ね拮抗している。男性では、「足りている」との回答が多いのに対し、女性は「足りていない」の方が多かった。
さらに、世界でウクライナ避難民以外にも多くの人々が難民として生活を強いられていることに関しても言及。世界の難民総数は2700万人以上にのぼるが、わが国が海外から難民を受け入れることについて、約半数が「賛成」する一方で、15%以上が反対した。性別では、女性の方が難民受け入れについて賛意を示している人の割合が多いという結果となった。
海外からの難民受け入れに関する意見は、全体では賛否拮抗しているが、男性は「多すぎる」または「足りている」と回答した人が3割超となり、「足りていない」回答よりも多い。女性は「足りていない」(3割弱)との回答者が「足りている」を上回った。
国内に外国人が増えていることの影響に関しても、全体では賛否が拮抗している。性別では男性がデメリット、女性はメリットを感じていることが明らかとなった。