東京都江戸川区のイオン葛西店が12月9日から、地域の高齢者らが自由に時間を過ごせるスペースの開放を始めた。
誰でも腰掛けられる椅子だけでなく、囲碁や将棋、卓球などを無料で楽しめる設備を用意。フロアを周回するウォーキングコースも作った。レストランやカフェも併設。開かれたコミュニケーションの場として機能させつつ、集客力のさらなるアップに結びつける狙いだ。
朝食の時間帯のニーズも見込み、他の売り場より早い朝7時から開放する。葛西店の中原宏平店長は、「高齢者の生活に合うように運営していく。我々からも新しい過ごし方を提案できれば」と説明。「気軽にコミュニケーションが取れる『出会いの場』としていけば、地域への貢献にもなり得るのではないか。1人暮らしの高齢者などにも来ていただきたい」と語った。
スペースは非常に広い。疲れたらすぐに腰を下ろせるよう、多くの椅子やベンチが配置されている。天気を選ばずに利用できることも魅力のひとつだ。手頃な価格の朝食メニューもうれしい。
このほか、最新の機器が体験できるフィットネスラウンジやインストラクターが指導する体操教室、イベントを開催できるステージなども設けられている。9日の7時前には、高齢者を中心とする300人以上の客が長蛇の列を作っていた。
■ カートのまま通れる新型レジを導入
主に食料品を扱う1階でも、より多くの高齢者を呼び込むための新たな取り組みを開始した。カートのまま利用できるレジ(らくらくカートイン・アウトレジ)を、全国のイオンで初めて導入。買い物カゴを乗せたり降ろしたりする手間が省け、腕や腰にかかる負担を軽減できる。
「産地直送の新鮮野菜」や「減塩」など、健康志向のコーナーも新設した。食べきれない量を買わなくて済むよう、小分けにした商品も充実している。このほか、買った物をその日のうちに自宅まで届けるサービスも強化していくという。