北朝鮮による日本人拉致問題は、わが国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、政府としては、最重要問題と位置付け、解決に向けて全力で取り組んでいる。
拉致問題の解決のためには、世論の一層の喚起が不可欠。政府拉致問題対策本部は、特に若い世代に拉致問題について深く認識し、拉致問題を人権問題として考える契機とするため、アニメ「めぐみ」及び映画「めぐみ」の学校での上映会の開催を促進するよう、各都道府県教育委員会を通じて、学校など関係機関に周知している。
北朝鮮による日本人拉致が多発したのは、1970年頃から80年頃にかけて。平成14年9月に北朝鮮は日本人拉致を認め、同年10月に5人の被害者が帰国したが、他の拉致被害者については、未だ北朝鮮から納得のいく説明はない。
拉致問題に関する北朝鮮側の主張には多くの問題点があることから、日本政府としてはこうした主張を受け入れることはできない。
拉致問題は、わが国の国家主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題。日本政府は、全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現すべく、政府の総力を挙げて最大限の努力を尽くしている。
アニメ「めぐみ」は、昭和52年、当時中学1年生だった横田めぐみさんが、学校からの帰宅途中に北朝鮮当局により拉致された事件を題材に、残された家族の苦悩や、懸命な救出活動の模様を描いた25分のドキュメンタリー・アニメ。
アニメの制作に当たっては、漫画「めぐみ」(原作・監修:横田 滋・早紀江、作画:本 そういち、出版社:双葉社)をモチーフとし、日本俳優連合の多大な協力を得て、声優らがボランティアで出演している。
アニメのDVDは、国内外において拉致問題に対する理解を深めるため、日本語版のほか、英語・中国語・韓国語・ロシア語の吹き替え版、フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語・タイ語の字幕版を制作している。
また、政府・拉致問題対策本部のホームページ(http://www.rachi.go.jp/ )から、英語・中国語・韓国語・ロシア語版・フランス語・スペイン語・ドイツ語・イタリア語の動画ファイルを無料でダウンロードできる。
政府では、アニメを視聴することにより、小学生、中学生及び高校生には北朝鮮による拉致問題について深く認識し、拉致問題を人権問題として考える契機としてもらいたいと考えている。
拉致問題対策本部では、アニメの活用に当たっては、本部事務局の職員を拉致問題のアニメの内容の概要説明のために派遣することも可能だとし、希望する場合は事務局まで問い合わせるよう要請している。また、各学校でアニメ「めぐみ」の上映会を開催した後に、必ずアンケートを提出するよう依頼している。