都内の地域包括支援センターの92.4%が、担当地域内にひきこもり状態の人がいることを把握している − 。東京都が今年度に入って新たに公表した調査結果では、そうした現状が報告されている。
いわゆる「8050問題」への対応で課題と感じることでは、そもそも本人が支援を望んでいないことをあげる包括が多かった。
この調査は、ひきこもり状態の人へのきめ細かいサポートにつなげる目的で昨秋に実施されたもの。都内の包括277ヵ所、経験10年以上の民生委員1747人などから回答を得ている。
担当地域にひきこもり状態の人がいることを知った方法を多い順にみると(複数回答)、「当事者の家族からの相談」が78.5%、「関係機関からの情報提供」が69.5%、「近隣住民からの相談」が62.9%だった。
中高年のひきこもり状態の人を新たに把握する頻度は、「年1~2件」が37.9%で最多。「年3~4件」が30.9%、「年5~10件」が18.4%、「月1件程度」が3.9%と続く。
中高年層への支援で課題と感じることを全て選んでもらったところ、「家族から相談があっても、本人が相談・支援を望んでいない」が75.1%でトップ。以下、「相談・支援に至るまで長期間経過しているケースが多く、対応が難しい」が59.2%、「本人・家族の抱える悩みが多岐に渡っているため、対応に時間がかかる」が39.4%、「ひきこもりに関する知識や支援ノウハウを有していない」が18.8%などとなっている。
自由記述の欄には、「ひきこもり支援を専門に行う相談窓口を設置して欲しい」「相談窓口はあるが対応に温度差がある」「ワンストップで対応できる窓口が欲しい」などの意見が多く寄せられていた。