いつか1人暮らしをしたい − 。パートナーと一緒に暮らしたい − 。障害福祉のグループホームにこうした願いを抱いている利用者がいることを踏まえ、厚生労働省は来年度から支援策の強化に乗り出す。本人の希望が叶うケースが増えるよう、事業所にきめ細かい対応を促すインセンティブを報酬改定で大幅に拡充する。
退居のサポートを要件とする既存の「自立生活支援加算」を見直し、単位数の高い上位区分などを設ける。グループホームを出た後の継続的な相談対応、連絡調整などを評価する加算も新設する。
あくまでも退居を希望する利用者が対象。事業所が一連の取り組みで3500超の単位数を得られる制度設計となっている。
厚労省は今月6日、来年度の障害福祉サービス報酬改定の全容を決定。こうした方針もその中に盛り込んだ。今年度内に告示する。
新たに創設される「自立生活支援加算」の上位区分(加算Ⅰ)の概要は以下の通り。このほか、グループホーム入居前から「ゆくゆくは1人暮らしを」と望む利用者への支援を評価する区分(加算Ⅲ)も設けられる。
退居後の継続支援を評価する加算は「退居後共同生活援助サービス費」。原則3ヵ月間の2000単位/月で新設される。概要を表にまとめた。
国の2021年度の調査結果では、グループホームの利用者の45%が「将来は1人暮らし、またはパートナーと暮らしてみたい」と答えたと報告されている。厚労省は今回の報酬改定で、こうした障害者を後押しするピアサポートを評価する加算も新設する方針だ。