ケアマネジャーの賃金はその業務の専門性や重要性に見合っていない − 。日本介護支援専門員協会が12月19日に公表した調査の結果(速報値)で、およそ8割のケアマネがそう答えていることが明らかになった。
「見合っている」を選んだのは12.4%のみ。「見合っていない」が全体の77.0%を占めていた。
また、ケアマネの採用が「困難になった」との回答が78.3%にのぼっていた。「変わっていない」は12.3%にとどまっている。
協会はこうしたデータを基に、来年度の介護報酬改定に向けた働きかけを更に強める構え。政府は介護報酬を全体として引き上げる方針で、今後はサービスごとの原資の配分などが焦点となる。柴口里則会長はこの日の会見で、居宅介護支援の基本報酬の引き上げなどを「しっかり求めていく。最後の最後まで訴える」と決意を示した。
この調査は昨年10月から11月にかけて行われたもの。協会の会員1800人超が対象で、1130人から有効な回答を得ている。
それによると、ケアマネの採用が困難な理由では「難しい業務だと見なされ敬遠される」が70.5%で最多。採用促進に寄与すると考えられる施策では、「業務の専門性や重要性に見合った賃金アップ」が84.3%で最も多かった。
調査結果ではこのほか、退職後に再びケアマネとして働く人が4割弱にとどまることも分かった。協会の七種秀樹副会長は、「介護支援専門員の専門性や重要性に見合った待遇、労働環境としていくことが非常に重要。新たな人材を確保するだけでなく、離職を防いでいくことも大きな課題になる」と指摘。「今回の調査結果は現場を支える介護支援専門員の切実な声。これを届けるべく、今後協会としてより大きな声をあげていく」と話した。