経済産業省は、社外取締役の質の担保・向上に向けた取組の一環として、金融庁や株式会社東京証券取引所と共同で、「社外取締役のことはじめ」を作成した。これまでに公表されたコーポレートガバナンス・コードや各種ガイドライン等を基に作成したものであり、社外取締役の方々に「まずはじめに知っておいていただきたい内容」を掲載している。
コーポレートガバナンス改革の究極の目的は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上であるところ、社外取締役は取締役会の一員として、それらを実現できる優れた経営者を選び出すとともに、取締役会等での経営の助言や監督等を通じて、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を強く意識した経営を行うことを促すことが期待されている。
このような重要な役割・責務を担う社外取締役について、今後も社外取締役の増加が見込まれる中、コーポレートガバナンス改革を一層進めるためには、その質を担保し、向上させていく仕組みが不可欠と考えられる。
そこで、金融庁、経産省と東京証券取引所は、新任や経験年数の浅い社外取締役の方々に「まずはじめに知っておいていただきたい内容」を改めて伝えるとともに、コーポレートガバナンス・コードや各種ガイドライン等を参照しやすくなるよう、「社外取締役のことはじめ」を作成した。
「社外取締役のことはじめ」では、社外取締役の方々に「まずはじめに知っておいていただきたい内容」として、「取締役会の役割・責務」や「社外取締役として自身に期待されている役割・機能」等の基本的な内容を整理するとともに、それに関連する「コーポレートガバナンス・コード」の原則や各種ガイドラインの該当箇所等を掲載している。
「社外取締役のことはじめ」は、特に、企業のコーポレートガバナンス担当者から、社外取締役へ交付していただくことを想定している。
経産省では、社外取締役への新任時や再任時等に積極的に交付していただくとともに、社外取締役の方々との意見交換等にも活用いただくよう求めている。