年度が替わる4月に入ると、統一地方選挙が行われるが、17歳から19歳の3割しか4月に選挙が行われることを認識していないことが、日本財団の若者意識調査で明らかとなった。一方で、選挙があることを知っている若者のうち、8割は投票権を講じる意向であることも判明。選挙自体には前向きな姿勢を示していることがわかった。2割いる投票しない若者の理由としては、「(候補者の)違いがわからない」が最多で、約半数があげた。
道府県と政令指定都市の首長と議会議員選挙が4月9日に、それ以外の市長区村の首長と議会議員選挙が同23日に実施される。この統一地方選の存在をしていたか聞いたところ、全体の3割が「知らなかった」と回答。また、約4割が「統一地方選挙の意味などをよく知らなかった」と答えた。統一地方選を「知っている」との回答率は約3割と低水準。女性の方が男性よりも「知らなかった」「意味を知らなかった」との回答割合が高かった。
統一地方選が予定されている地域の住民票を有する地域では、選挙権を有する18歳以上の男女のうち「選挙がある」と認識していた者は全体の15%に留まった。こちらは女性よりも男性の方が、認識率が高い結果となった。
住民票のある地域区分別にみると、特別区・指定都市と中核市・特例市と比較して、その他地域に住民票のある人は「選挙がある」との認識割合がやや低い傾向にあることも浮き彫りとなった。
「自分一人が投票しなくても影響ない」は1割未満
調査では、統一地方選挙での投票意思に関しても聞いた。住民票がある地域に選挙があると認識していた18歳以上の男女のうち、8割以上は「投票する」と答えた。女性よりも男性の方が「投票する」と回答した割合が高かった。
一方、2割存在した「投票しない」との回答者にその理由を尋ねると、「どの候補者がよいかわからない/違いがよくわからない」(50.0%)、「投票に行くのが面倒くさい」(41.7%)、「選挙に関心がない」(33.3%)の順に回答が多かった。このほか「自分一人が投票しなくても、大きな影響はないから」は8.3%。
また、ここ数年の統一地方選挙の投票率が5割前後で推移していることに対する感想も調査した。「想像していたよりも低いと感じる」(「やや低いと感じる」も含む)が回答者の半数程度を占めた。女性の方が男性よりも若干この傾向が高かった。
進めるべきデジタル化は「SNSでの議会の情報発信」など
さらに、地方議会でデジタル化が検討されていることなか、調査では進めるべきデジタル化の取組に関しても調べた。複数回答のなかから最大三つ選択するアンケートによると、男性は「SNS等による議会の情報発信」「オンラインによる市民アンケートの実施」「議会のペーパーレス化」の順に多かった。女性は「オンラインによる市民アンケートの実施」「SNS等による議会の情報発信」「住民の意見や要望のデジタル提出」の順となった。
この調査結果を受け、日本財団では、デジタルを活用することで、若者、特に女性の身近なところからの政治参加を促すことができるのではないか」としている。
この調査は全国の17歳から19歳の男女1000名を対象に、インターネットにより2月22日から27日にかけて行われた。