株式会社ポケモンは29日、自社が手掛ける人気ゲーム「ポケットモンスター」を通じて、「眠り」をエンターテインメント化したスマートフォン向けゲームを2020年中にリリースすると発表した。「歩く」をエンタメ化したことで大ヒットした「ポケモンGO」と連携するプロジェクトも同時に進行させていくという。
同日の事業戦略発表会で石原恒和社長は、「現実世界を冒険することを1つのテーマにした『ポケモンGO』によって、ポケモントレーナーとなった人々がそれまでに比べてより多くの時間を『歩く』ことに費やすようになった。『歩く』という人間の基本的な動作が、エンターテインメントとして成立するという変化を世界にもたらすことが出来たと考えている」と発言。そのうえで、「『歩く』の次に我々が注目したのが『睡眠』。皆さんが人生で多くの時間を費やす『睡眠』のエンタメ化がポケモンの次のチャレンジです」と語った。
発表された「ポケモンスリープ」は、スマホゲーム「はねろ!コイキング」を開発したセレクトボタンとポケモンが共同で開発に取り組んでいる。コンセプトは「朝起きるのが楽しみになるゲーム」。ゲームでは、プレイヤーの寝た時間や起きた時間を使って睡眠をエンタメ化する予定で、詳しいシステムなどは後日改めて発表する見込みだ。
■ 枕もとで睡眠を計測
さらに、「ポケモンGO」との連携では、シリーズでおなじみのモンスターボールをかたどった手のひらサイズの「ポケモンGOプラスプラス」を任天堂が開発する。この新端末は、寝るときに枕元に置いておくことで、内蔵した加速度センサーがプレイヤーの睡眠時間を計測。キャッチしたデータを、ブルートゥースを通じてスマホに転送する仕組みだ。従来の「ポケモンGOプラス」の機能である、周囲のポケモンやアイテム取得の状況を、ランプと振動で知らせる機能も搭載している。ハードウェア開発部の丸山和宏氏は「昼に歩いている時間だけでなく、夜に皆さんが眠っている時間をも楽しい豊かなものにするお手伝いをしたいと考えている」と述べている。
■ 健康増進を念頭に開発
また、ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは、「健康的なライフスタイルに欠かせないのは、歩くこととよく休むことだ」とコメント。「世界を自らの足で冒険するためには、それに備えてしっかりと休息し、元気を蓄えることが重要になる。どのような形で良質な睡眠と『ポケモンGO』を結び付けるかは、健康増進を念頭において開発を進めている」と語った。