国立研究開発法人 産業技術総合研究所は、7月1日付でイノベーション推進本部内に「標準化推進センター」を設置した。
国内産業の国際競争力を強化するためには、国際的なルール作り、すなわち標準化を、わが国が主導していくことが重要。標準化推進センターでは、産総研の研究ポテンシャルを活用し、政策的なニーズや産業界からのニーズを受けた戦略の検討支援や、具体的な標準化活動を推進する。
特に、複数の業界にまたがる新しい産業分野での標準化の取り組みをサポートする。また、これらの標準化活動を一貫して主導的に推進する専門人材として「標準化オフィサー」を新設した。
産総研では、情報技術分野の標準化活動を推進するため、今年4月1日に情報・人間工学領域内にデジタルアーキテクチャ推進センター 情報標準化推進室を設置しており、今後、標準化推進センターは同室とも連携し、産総研を中核とした標準化活動に取り組む。
センター設立のねらい
IT化やIoT化などにより、従来の業界団体を中心とした標準化の枠組みにはまらない、複数の業界にまたがる新しい産業分野での標準化ニーズが増加してきた。このような標準化ニーズへ対応するためには、ステークホルダー間での合意形成が重要になる。
産総研の研究に関連する領域において、政策当局や産業界の要望に対し、中立的な立場でステークホルダーとの調整を行い、社会課題の解決に資する標準化を進める中核的な組織として、標準化推進センターを設立した。
また、新設した「標準化オフィサー」は、標準化の専門知識と経験を活かして、ステークホルダー間の調整や標準の普及策検討などを行う。
産総研は、これまでに培ってきた標準化活動のノウハウを元に、ステークホルダーと協働した標準化活動に取り組むことで、社会に役立つ国際的なルールの確立やそれらの活用を通じた国内産業の国際競争力の強化を目指す。