日本財団が日本、米国、英国、中国、韓国、インドの5ヵ国の17歳から19歳の若者を対象に行った意識調査(18歳調査)によると、自分の国は将来「良くなる」と考えている若者の割合は、わが国は他の4ヵ国と比べてずば抜けて低いことがわかった。
調査によると、自分の国の重要な課題として、日本と韓国は「少子化」をあげる一方、米国と英国、インドは「貧困」を自国の重要な課題として考えていることが明らかとなった。中国は「教育の質」だった。
三つまでの複数回答で尋ねたところ、日本は「少子化」「高齢化」「経済成長」が47.6%、39.3%、25.2%で上位を占めた。米国は「貧困」「人種等による差別・偏見」「気候変動・温暖化」、英国は「貧困」「経済成長」「気候変動・温暖化」がトップ3。中国は「教育の質」とともに「高齢化」「経済成長」、韓国は「少子化」「高齢化」「経済成長」の順となり、日本と韓国は同じ調査結果となった。インドは「貧困」「環境汚染」「教育の質」。
また、自国の現在の競争力について尋ねたところ、日本は「文化・芸能」「スポーツ」「科学・技術・医学」の順に、他国と比較して競争力が高いと回答。一方で、「外交・グローバルリーダーシップ」「軍事・防衛」「経済・GDP」の順に、他国と比較して競争力が高いとの回答が少なかった。
日本以外の国をみると、米国、英国は「スポーツ」、中国は「軍事・防衛」、韓国は「文化・芸能」、インドは「軍事・防衛」が最多回答。また、中国は軍事・防衛以外にも、「外交・グローバルリーダーシップ」「経済・GDP」「宇宙開発」など、すべての回答項目で〝競争力が高い〟との回答が8割以上を占めた。
10年後の自国の競争力に関しては、日本は「スポーツ」「科学・技術・医学」「文化・芸術」の順に、〝強くなる〟との回答が多かった。「宇宙開発」「外交・グローバルリーダーシップ」「軍事・防衛」は、現在の〝競争力が高い〟と回答した割合よりも、〝今後強くなる〟と回答した割合が10ポイント程度高かった。
米国は「軍事・防衛」、英国は「科学・技術・医学」、中国は「軍事」、韓国は「文化・芸能」、インドは「科学・技術・医学」が最多回答。中国とインドでは、質問項目ごとの回答にばらつきが少なく、すべての質問項目で中国は9割以上、インドは8割以上が〝強くなる〟と答えた。
また、調査では、自分の国の将来に対する考え方も尋ねた。日本は「良くなる」が15.3%と、他の国に差をつけて少なく、6ヵ国中最下位。「良くなる」と答えたのが最も多いのは中国で95.7%。次いで83.1%のインドで、この2ヵ国は極端に高かった。韓国は39.1%、米国36.1%、英国33.8%。日本は5位の英国よりもさらに20ポイントも「良くなる」と考えている若者の割合が低かった。