農林水産省は、食料安全保障の観点から野菜の国産シェアを奪還することを目指しており、それに向け、国産野菜の周年安定供給体制を確立するため、新たに「国産野菜シェア奪還プロジェクト」を立ち上げた。その取組では、国産野菜の活用拡大に取り組む意欲のあるサプライチェーンの各段階(生産、流通、実需等)の関係者に一堂に参集してもらい、生産から販売までの各プレーヤーが連携した取組等を推進するとしている。
また、プロジェクトを推進する協議会を設立することとし、3月27日に農林水産省ホームページで会員の募集を開始した。さらに、4月26日に農林水産省講堂にて設立シンポジウムを開催する予定だ。
日本で消費される野菜は、約6割が加工・業務用であり、そのうちの3割程度が輸入に占められている状況にある。
今回、農林水産省が立ち上げた「国産野菜シェア奪還プロジェクト」では、海外調達の不安定化によるリスク軽減のため、加工・業務用を中心とした国産野菜の生産、供給に関わる事業者の経営安定化等を通じ、国産野菜の活用拡大を図ることとしている。
また、このプロジェクトを推進していくためには、国産野菜の活用拡大のカギとなる安定した供給・品質等を確保するため、生産、供給に関わる事業者が結びついたサプライチェーンを構築し、具体的な取組を進めていくことが必要となる。
このため、「国産野菜シェア奪還プロジェクト推進協議会」が、国産野菜の活用拡大に取り組む意欲のあるサプライチェーンの各段階の関係者からなる全国活動組織として設立される。
協議会への会員登録
現在、協議会の設立趣旨に賛同し、会員となることを希望する者を募集している。
参加について要件は設けられていないが、協議会では、生産者、実需者、関係団体等で「加工・業務用を中心として、国産野菜の生産拡大に取り組みたい者、国産野菜の取扱いを増大させたい者」、「契約取引の拡大やデータ連携等の導入により、国産野菜の安定的な生産・供給を図りたい者」、「国産野菜の消費拡大の取組を進めたい者」等を協議会員として想定している。
設立シンポジウムの開催
4月26日に開催される設立シンポジウムは、開会あいさつ・設立宣言で始まる。
続いて、農林水産省から国産野菜シェア奪還プロジェクト推進協議会の設立や進め方について説明が行われる。
さらに、生産者等からの話題提供(仮題)が行われる。(株)アイファームからブロッコリーの生産・加工流通の取組、(有)エーアンドエスから国産剥きたまねぎの安定供給の取組、(一社)スマートフードチェーンプラットフォーム推進機構からスマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis」の活用、(独)農畜産業振興機構から国産野菜の生産者と実需者を結ぶマッチングサイト「ベジマチ」について説明される予定だ。
このほか、質疑応答を行うとしている。
参加の申し込みは4月23日まで。