「自分が要介護になった場合、十分な介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」―。40歳以上の4割弱がこうした意識を持つことが、4日に閣議決定された2016年版の厚生労働白書に盛り込まれた調査で明らかになった。
調査は、今年2月にインターネットを通じ、全国の40歳以上の男女3000人を対象に行ったもの。「自分の介護が必要になった場合に、どこでどのような介護を受けたいか」を尋ねたところ、「家族に依存せずに生活ができるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい」が37.4%で最多。次いで「自宅で家族中心に介護を受けたい(18.6%)」、「自宅で家族の介護と外部の介護サービスを組み合わせて介護を受けたい(17.5%)」が多い順番になっている。このため、条件付きながらも含めて、「自宅で介護を受けたい」と答えた人は73.5%に上った。
男女別にみると、男性は女性に比べて「自宅で家族中心に介護を受けたい(24.0%)」の割合が高く、女性は男性より「家族に依存せずに生活ができるような介護サービスがあれば自宅で介護を受けたい(43.0%)」という割合が高かった。
■ 自治体の取り組みの啓発が重要
また、「高齢者の健康づくりや介護予防を促す取り組みとして有効な施策」を質問したところ、最も多かったのは「「身近な場所で運動ができる施設の整備」の47.0%。次いで、「健康診断等の受診勧奨と受診後の健康指導」41.2%が多く、「効果的な広報(健康に関する正しい知識の普及、健康づくりの取組みの周知等)」31.1%が続いた。
一方、こうした取り組みについては、すでに実施している自治体も多い。ただ、自治体の取り組みについて、「積極的に取り組んでいる」または「どちらかというと取り組んでいる」と評価した人は、65歳以上では過半数を超えるものの、40~64歳では3割台にとどまっていた。結果を受け厚労省は、こうした取り組みに関して「高齢期の前の段階で行う普及啓発が非常に重要だ」と指摘している。