スポーツ庁と日本スポーツ振興センター(JSC)は、多様なライフスタイルに応えるため、7月から国立代々木競技場室内水泳場の早期営業のトライアル営業を行ってきたが、利用者から好評であったため、トライアル期間を延長することを決めた。延長期間は11月1日から来年7月2日まで。
スポーツ庁の鈴木長官は、7月からのトライアル営業に関して、多くの人々が早朝からスポーツすることの楽しさを伝えることができたと評価。その上で、11月以降の早朝営業トライアルに関して、「多くの方にご利用いただき、〝出勤前にスポーツをする〟という多様なライフスタイルの定着とこのような取組が全国に広がることを期待している」とコメントした。
鈴木長官「スポーツの楽しさ伝えた」
代々木競技場室内水泳場の午前7時から8時30分までの早期営業の試行は、スポーツを通じ健康増進を図るため、国民の運動実施率向上を促す環境づくりとして、スポーツ庁とJSCが7月27日から実施。スポーツ施設の団体利用者を対象として行ってきた。
7月からのトライアルでは、午前7時から8時30分の時間帯の稼働率が87.2%となるなど、多くの利用があった。また、利用者の年代別割合では「31歳から40歳」が34%と最も多く、33%の「41歳から50歳」、13%の「18歳から30歳」と続く。この結果から、いわゆる働き盛りの世代が多く利用していることが明らかとなった。
「50歳以上」は7%、「12歳未満」は8%、「12歳から18歳」は5%と1割未満だった。
一方で、8月の早期利用者を対象としたアンケート調査では、代々木競技場利用者の83%と、多くが水泳場を利用。さらに利用目的として、「自己の記録や能力の向上」をあげた利用者が圧倒的に多く、このほか「健康増進」「楽しみ・リフレッシュ」「友人・仲間との交流」を利用理由としてあげるなど、有意義な活用が行われていることがうかがえた。
より利用しやすい施設のあり方提案へ
こうした調査結果などから、スポーツ庁が提唱してきた〝出勤前にスポーツをする〟という多様なライフスタイルの提案が理解・賛同されたこと、スポーツ実施率の向上のためにスポーツ施設が早期営業を行うことに一定の効果があることが明らかになったと評価している。
このため、11月から翌年夏以降に予定している耐震改修工事による代々木競技場の休業までの間も早期営業のトライアル営業を実施。さらに、詳細なニーズを調査することで、より利用しやすいスポーツ施設のあり方などを提案する意向だ。
JSCでは、近隣の企業等に利用を働きかけるとともに、水中ウォーキング等の利用事例の提示を通じた広報の充実を図り、普段は運動やスポーツを行わない人々を含めて、より一層の利用者の増加に努めることとしている。
また、これまで利用者から寄せられた要望をあらためて見直し、11月からはこれまで禁止していたウェットスーツの着用ルールを整備するなど、利用者サービスの向上に取り組む方針。