国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)は、JX金属(株)、JFEスチール(株)、住友化学(株)、太陽誘電(株)、(株)デンソー、トヨタ自動車(株)、日本特殊陶業(株)、三井金属鉱業(株)、三菱ケミカル(株)、(株)村田製作所とともに、酸化物材料を電解質とした酸化物型全固体電池を将来の蓄電池と位置づけ、激化する世界の開発競争にオールジャパン体制で打ち勝つために設立した全固体電池マテリアルズ・オープンプラットフォーム(全固体電池MOP)を、本年度より本格始動すると発表した。
全固体電池MOPは、2020年5月1日に設立され、これまでコロナ禍において物理的な移動が大幅に制約される中でも、NIMSが主体となり研究環境整備やリモートでの全固体電池講習会の開催などを行ってきた。
設立3年目を迎えてオンサイトでの共同研究環境も整ったため、各社共通の協調領域である電池内の界面解析技術や新規固体電解質材料探索技術の構築に向けた取組を本格的に開始することとした。
これらは全固体電池開発には欠かせないものの、コストや時間を要する技術であるために個社単独での開発には限界があり、NIMSが蓄積してきたノウハウや豊富な装置群と参加企業10社の知を融合することで初めて効率的な開発が可能となる。
MOPでは、これら共通基盤の構築を行い、各社における研究開発の加速を支援することで、グローバル市場における日本メーカーの持続的な競争優位性確保に貢献する。さらに省エネルギー社会の実現、持続可能な社会の実現への貢献を目指す。