SOMPOケアが“仕事付き”高齢者向け住宅の実証プロジェクトに乗り出した。自社で運営する介護付きホーム「SOMPOケア ラヴィーレ多摩川」で、希望する入居者に有償の就労機会を提供する試みを今月からスタート。参加者には1回につき、日用品の購入など施設内で使える500円相当のポイントを支給する。来年1月まで、月2回程度の頻度で実施していく計画だ。
まだまだ仕事に挑戦したい − 。社会の役に立ちたい − 。そうした想いの実現を後押しし、楽しみや生きがいのある生活を送ってもらう。交流の活性化、継続的な社会参加、健康寿命の延伸につなげる狙いだ。
希望する高齢者にできる範囲で働いてもらう取り組みは、先行する優良事例が既に複数生まれている。厚労省も来年度から介護保険の地域支援事業で推進していく方針を示しており、これからさらに関心が高まっていくとみられる。
SOMPOケアは今回、ケア介護ファッションブランド「KISS MY LIFE」を展開するTOKIMEKU JAPANと提携。入居者に介護用品向けのアクセサリーを作ってもらい、「KISS MY LIFE」の店舗やオンラインショップ、ラヴィーレ多摩川内などで実際に販売していく。対価として支給するポイントは、月に1度のパンやお菓子などの移動販売でも利用できるという。
持続可能な事業モデルの構築を目指す − 。今後についてはそう説明している。取材に応じた広報担当者は、「まずは実証を通じて活動状況や課題などをみていく。好評が得られれば横展開を図っていきたい」と話した。