農林水産省が野菜の日(8月31日)に関する特別企画として実施した、野菜の摂取量の調査結果が公表された。
この取組では、8月18日から9月30日にかけ、手指のカロテノイドを測定することで日頃の野菜摂取状況が把握できる測定機器を設置し、職員と来庁者の調査が行われた。
職員向けの調査では、事前アンケートや事後アンケート等が行われたが、両者の結果を比較すると、「野菜を摂取するよう心がけていますか?」との質問では、事前アンケートでは「とてもそう思う」、「そう思う」は合わせて51.5%だったのが、事後アンケートでは61.6%と約10ポイント増加した。
来庁者向けの調査では、設置期間のうち土日祝日を除く30日間の結果を集計したところ、測定回数は合計3338回となり、野菜摂取レベルの平均は5.6(野菜280g)で、約7割の人が目標量(350g以上)に達していなかった。これは、一般の成人の平均とほぼ同じ結果である。
取組の趣旨・ねらい
健康づくりの指標である「健康日本21(厚生労働省)」では、成人1人1日当たりの野菜摂取目標量について、カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミン等の適量摂取が期待される量として350g以上とされている。しかし、現状は平均280g程度と、約7割の人が目標量に達しておらず、必要量を正しく把握できていないことがその理由の一つとしてあげられている。
そこで農林水産省は、「野菜の日(8月31日)」の特別企画として、手指のカロテノイドを測定することで日頃の野菜摂取状況が把握できる測定機器を8月18日から9月30日まで省内に設置し、日頃の食生活に適量の野菜を取り入れることが習慣となるような機会とした。
測定機器は、人の体内で合成できず野菜と果物からの摂取が多い「カロテノイド」を手指の皮膚から測定し数値化することで、野菜の摂取状況を見える化する。農林水産省の職員向けにはベジメータ((株)LLCジャパン)、来庁者向けにはベジチェック(カゴメ(株))が使用された。
ベジメータは、ベジスコア0~1200で表示するとともに、それらを「A(444~1200)」、「B(355~443)」、「C(287~354)」、「D(230~286)」、「E(0~229)」の5類型で表示する(野菜350gはベジスコア444に相当)。
ベジチェックは、野菜摂取レベル0.1~12.0で表示するとともに、推定野菜摂取量を「10.0~12.0=たっぷり」、「7.0~9.0=足りています」、「4.0~6.0=もう少し」、「1.0~3.0=少ない」の6段階で表示する(野菜350gは野菜摂取レベル7.0~8.0に相当)。