2021年10月6日 通学時間削減で利点」感じる 専修大がオンライン授業で学生に意識調査

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴いオンライン授業が全国の高等教育機関などで行われたが、専修大学では、オンライン授業に関する学生アンケート調査を、昨年に続いて今年も6月28日から7月12日に行った。2020年に比べて、オンライン授業にメリットを感じる学生が増加。通学などの時間を省くことができることなどを多くの学生が前向きにとらえている現状が浮き彫りとなった。一方で、課題の多さにうんざりしている学生も多くみられ、教員と学生の間に意識の差があることもわかった。

調査は同大学生5000人を対象に、①居住環境をはじめ、②オンライン授業受講時に使用している機器、③オンライン授業のメリット、デメリット、④コロナ禍の学生生活でかじる悩み・不安‐など多岐にわたり聞いた。現在の居住環境として最も多かったのは、「通学範囲内の実家」で64.0%(2020年度61.8%)。次いで、「一人暮らし(アパート)」が23.8%(同16.8%)となった。2020年度調査では17.5%だった「帰省先の実家など」は7.0%に留まり、半分以下に減少した。

オンライン授業を受講する際に使用している機器についても聞いた。最も多かったのは「(自分が自由に使える)専用パソコン」で、92.8%(2020年度79.9%)、次に「スマートフォン」が64.9%(同63.1%)。専用パソコンとスマホの両方を使っている学生が59.4%(同48.0%)いる一方で、スマホしか使っていない学生は1.5%(同4.8%)存在した。

オンライン授業での通信環境や通信状況に関しては、「良好(特に困ったことはない)」と「許容範囲(時々途切れたり、通信が遅くなることがあるが、がまんできる)」がほぼ拮抗。合わせて86.9%となり、全体の9割弱を占めた。2020年度は83.6%だった。

「ストレスを感じる」と「支障を来たしている」は、合わせて13.1%で、昨年度の16.4%と比べて3ポイント以上減少した。

 

「学習に集中しやすい」前年比15ポイントアップ

オンライン授業のメリットに関して、①情報の見直し、②自分のペースで勉強ができる、③学習に集中しやすい、④質問しやすい―など6項目と「メリットなし」のなかから選択する形式で意識を調査した。

その結果、通学や校舎内の移動の時間を省くことができる「時間の節約」が87.5%(2020年度86.9%)で最も多く、次いで「情報の見直し」が77.4%(同64.5%)、さらに「自分のペースで勉強ができる」が74.5%(同62.6%)となった。最も伸び率が高かったのは「学習に集中しやすい」で、前年度の36.1%から約15ポイント上昇し、50.5%を記録した。

オンライン授業を行うことのデメリットに関しても聞いた。こちらも「内容の理解」や「課題の多さ」「友人がいなくて不安」など8項目の中から選択してもらったが、最多数回答となったのは、「課題の多さ」で48.0%(2020年度67.8%)。次いで、「機器の長時間利用」45.5%(同56.4%)、「まわりに友人・知人などがいないので、不安に感じる」43.4%(56.6%)との回答が多かった。

これらは前年度と同様の傾向となったが、選択率はいずれも10~20ポイント程度減少した。「デメリットは何もない」と回答した学生は12.6%で、5.0%だった前年度と比較して2.5倍以上という結果となった。

 

約6割が「先行き見えない」不安

コロナ禍の大学生活で感じる悩みや不安に関しては、就職活動や留学、課外活動などの「先行きが見えないこと」が58.7%で最多。「何となくやる気がでないこと」52.0%、「なんとなく気分が滅入ること44.7%といった精神的な不調も約半数の学生が経験している。「今の学習方法で良いか」(42.9%)、「親しい友人ができない」(31.9%)といった悩みを訴える学生も目立った。

さらに、大学への入構制限といった状況で、授業時間外にキャンパス内で行いたいと思う活動としては、「友人との交流」が54.2%で最多回答。続いて41.7%の「図書館での自習」、38.1%の「部活・サークル活動」が多かった。「特にない」も20.3%いた。


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