2023年4月12日 慶大等が「あか牛」復興事業を展開 クラファンも開始、生産農家を直接支援へ

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)と熊本県畜産農業協同組合連合会(熊本県畜連)、(株)グローカル・クラウドファンディング(GCF)は、今年1月に熊本県南阿蘇村で発足した「南阿蘇村 草原再生・あか牛復興プロジェクト」の一環として、熊本県下の生産農家と協力し、牛由来メタンガス発生抑制が見込まれる『ルミナップ』を給与した環境に優しいあか牛の生産を開始した。同時に新たな販路の創出に向けて、エシカル(倫理的)な取り組みにチャレンジする生産農家の直接支援とソーシャルインパクトを目指す投資型クラウドファンディングも開始する。クラファンを始めることなどにより、企業や消費者が生産の段階から産地を応援し、あか牛を購入することが可能になる。

日本の固有種とされる4種和牛うちの一つである「あか牛(褐毛和種)」は、日本国内の消費牛肉の内訳でもわずか0.36%、飼養頭数は2万3000頭(黒毛和牛は175万8000頭)と希少な和牛。しかし、ここ数年の脂肪交雑(サシ)を重視した和牛枝肉の格付けでは、霜降りの少ない赤身を特徴とする「あか牛」に対する枝肉市場の評価が高くないため、生産数はこの20年間で半減している。

そこで同プロジェクトは新たな価値観であるエシカルなあか牛の生産を資金面から支援しつつ、購入体制の強化を通じた安定的供給を確立することで、持続可能な畜産業と肉食文化の維持を目指すことを目的としている。

プロジェクトでは、「食の多様化と持続可能なエシカル和牛の生産と消費」に向けた事業を展開する。食の安全、健康、美味しさを重視する消費者のニーズに対応した和牛「くまもとあか牛」だが、美味しさだけでなく持続可能な畜産を目指して、エシカルな畜産業への転換に向けた三つのチャレンジを開始する。

1.メタンガス排出抑制効果が見込まれる飼料の利用やウェルフェアを加味した次世代の畜産体制の確立:昨年12月から毎月3頭のあか牛の肥育をスタート。メタンガス削減につながる飼料の使用や動物福祉(アニマルウェルフェア)対応、ホルモン剤不使用などの牛個体識別番号をベースとした生産に関するトレーサビリティ情報の開示、農家見学会の開催など次世代の畜産についてネットとリアルを合わせた、体験納得型の消費提案を目指す。

2.急速液体冷凍技術などを活用したフードロス削減を含む安定的なエシカル和牛供給の実現:くまもとあか牛プロジェクトで実証を重ねてきた急速冷凍技術を活かした、部位ごとに食べやすいサイズで提供するスタイルを中心に、宿泊施設、飲食店や消費者などへ提供する予定。また、未活用部位についても、「南阿蘇村 草原再生・あか牛復興プロジェクト」参画団体である東海大九州キャンパス、くまもと阿蘇県民牧場との連携事業などを通じて加工食品の開発を進める。

3.持続可能な農畜産業を実現する産官学金連携よるソーシャルインパクト投資の活用実証:GCFと連携し、生産者支援を目的とした金融型クラウドファンディングを立ち上げることで、普段の生活の食を通じて、くまもとあか牛のコクと旨みを楽しみながら、熊本・阿蘇の草原や畜産業を支援したいという一般の消費者や飲食店、流通事業者らに支援してもらえる環境を構築。支援者には、普段の食の一部をあか牛に切り替えてもらうによって、安定的なリターンと持続可能な肉食文化の確立を目指す。

 


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