2023年4月18日 地域別の青果市場価格・小売価格の予測技術 廃棄ロス・機会ロスの削減、価格の安定化に貢献

(株)ファームシップと豊橋技術科学大学は、共同設立した「AI市場予測コンソーシアム」で、農林水産省の委託事業「国際競争力強化技術開発プロジェクト」における「革新的スマート農業技術開発」の一環として、「AI市場予測を活用したスマート営農支援技術の開発」を行ってきたが、今回、地域別の青果市場価格と小売価格の予測技術を確立した。この技術は、「なにを」「いつ」「どこで」生産・販売すれば良いかを判断するのに役立ち、廃棄ロス・機会ロスの削減や価格の安定化に貢献すると期待されている。今後、農研機構が運営している農業データ連携基盤(WAGRI)を利用したサービス公開が予定されている。

近年、国内農業では、様々な企業がハードウェア・ソフトウェアの開発、市場投入を行ってきたことで、より効率が高い生産技術の開発が進んできている。しかし、毎年のように野菜の価格が大きく変動し、問題となっている。農産物の生産や販売は、天候や天災などに影響され、供給ばらつきが大きいのが実情である。生産者は、価格低下時には出荷しても利益にならず、価格高騰時には販売機会を逸失するというリスクを常に抱え、安定した経営が難しくなっている。また、価格高騰時には家計への影響も大きく、農産物を通年で安定した価格で販売することが求められている。

 

市場価格と小売価格を高精度に予測

今回開発されたのは、天候や青果の市場価格などのビッグデータを自動収集し、AIで機械学習させて解析し、市場価格を高精度に予測する仕組み。従来の分析手法ではなく、LSTM(Long Short Term Memory:深層学習で用いられる人工回帰型ニューラルネットワークアーキテクチャーの一種)などの機械学習による新たな手法を用い、高い予測精度を実現している。

また、この技術の開発で、全国10市場の各5品目に対応できる仕組みが構築された。予測期間は週単位と月単位に対応している。週単位は翌週などの収穫・販売計画に、月単位は播種や販売などの月次計画に活用されることが想定されている。

さらに、市場価格だけではなく、より消費者に近い小売価格も高精度に予測する仕組みも開発された。市場価格予測は、過去の天候や市場価格などをインプットとし、未来の市場価格を予測する。これに対し、小売価格予測は、総務省が行う小売物価統計調査の結果を利用し、地域別の小売価格を予測する。

この仕組みは、小売業者も経験と勘に頼らずとも価格を予測でき、収穫や販売計画の立案に役立つ。その結果、生産だけでなく、販売でも機会ロスや廃棄ロスを減らすことに繋がると期待されている。

 

農業データ連携基盤(WAGRI)を利用したサービス公開を予定

今後、これらの技術の活用を進めるため、予測結果が農業データ連携基盤(WAGRI)上にAPIとして実装され、広く公開される。WAGRI会員は、APIを利用して自らの事業に活かしたり、アプリケーションを作成することが可能。

また、このAPIを利用したサービスの公開も予定されている。

 

WAGRI上でのAPI公開とサービス(プレスリリースより)


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