政府の「全世代型社会保障構築会議」は今後、1人暮らしの高齢者らに対する生活支援のあり方を巡る議論を深めていく。5月27日の会合でそうした方針を確認した。
例えば身元保証や金銭管理、少し大掛かりな掃除や買い物、死後の遺品の整理など、従来なら親族や〝ご近所さん〟らが担っていた生活支援のニーズは今後更に拡大する見通し。1人暮らしの高齢者、認知症の高齢者らが急速に増えていくためだ。
民間サービスを十分に使う余裕のない高齢者をどう支えるか、政府は介護・福祉の制度との関係性も含めて検討していく考えだ。地域の助け合いの仕組みを整備していくことが必要、との声もあがっている。
政府関係者は、「急いで結論を得るような進め方ではなく、中期的に腰を据えて議論していきたい」と説明。当面は3ヵ月に1回ほどの頻度で検討を重ねる意向を示した。
今回の「全世代型社会保障構築会議」ではこのほか、地域間の状況の差異に着目した介護サービス提供体制の見直しも議論していく方針を確認した。
今後、都市部では介護ニーズが更に拡大していくと見込まれているが、一部の地方は違う。高齢化がピークを超え、介護ニーズが徐々に縮小していくところもある。このため、法人や施設のあり方、人材確保の方策なども含めて、地域によっては介護・福祉のダウンサイジングが必要との意見が出ている。